2020年夏にスタートしたアニメ『彼女、お借りします』(略称、かのかり)は、「週刊少年マガジン」で連載されている恋愛作品ということで、どのような恋愛模様が繰り広げられるのかと大きな期待を集めていました。しかし、放送されてみると主人公・木ノ下 和也のダメっぷりに困惑する視聴者が続出する事態となっています。

かのかり キービジュアル 画像<画像引用元:https://kanokari-official.com/ より引用掲載 © 宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会>

 恋愛漫画の主人公がヤベー奴なのは、まぁまぁあることなのですが、そのダメっぷりは昨今類を見ないレベルで、2人の関係は主人公が一方的にヒロインに頼っているような状態です。これでは、とても恋愛どころではありませんよね。

 『かのかり』は主人公の好き嫌いが別れるアニメだと言えるでしょう。

 そんな恋愛作品(仮)のような今作ですが、この作品の魅力はそんな偽りの恋愛ではなく、クズ主人公を取り巻く魅力溢れるヒロインにあります。

 もし、ゴミ過ぎる主人公を受け入れられなくても、魅力的なヒロインたちをみるだけでも価値があるかも……。

 そこで、今回は作品を支えるヒロインたちの魅力を紹介していきます。

◆本作のメインヒロイン 主人公を優しく包み込む最強ヒロイン「水原 千鶴」の魅力とは

かのかり 水原千鶴 かわいい 画像<画像引用元:https://kanokari-official.com/story/ より引用掲載 © 宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会>

 水原 千鶴は、本作のメインヒロインであり『かのかり』で最もヒロイン力を発揮するキャラクターです。

 第1話の視聴者はご存知だと思いますが、千鶴は和也のあらゆる嘘や無理難題に答えてくれる、女神のような存在で、彼女がいないとこの物語が成立しないほど重要なキャラクターと言えます。

 その寛容さやヒロイン力の高さから原作読者には「どう考えても千鶴end以外想像できない」といわれてしまうほどです。

 そんな千鶴の一番の魅力は、やはり自分の利益を第一にしないことではないでしょうか。

 和也が友達や家族に本当の彼女だと紹介してしまった時は、和也のプライドや体裁を考え彼女のフリをしてくれました。またその後も、和也のため必要に応じて彼女のフリをしてくれています。普通は、そんな危険を冒してまで彼女のフリはしませんよね。

 まぁレンタル彼女としてのプロ魂、仕事だからと言ってしまえば、それまでですが、和也の行き過ぎた嘘や行動に付き合ってくれるのは彼女のように、相手を思う人間でないとありえなかったでしょう。

 特にこの作品では、和也は自分のことでいっぱいいっぱいですから、よりいっそう千鶴の他者を思いやる姿勢が際立って感じることができます。

かのかり 水原千鶴 かわいい 画像02<画像引用元:https://kanokari-official.com/story/ より引用掲載 © 宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会>

 千鶴は甘いのとはまた別の寛容さがあり、ちょっと怒りつつも「もうー仕方ないなー」って感じがたまらないヒロインと言えるでしょう。

 プロポーションも完璧で、察しの良さや物分りのよさも相まって、千鶴はまさに理想の彼女と言えます。

 ちょっと彼女を困らせて怒られたい方にはオススメのレンタル彼女と言えるでしょう。

◆物語の流れを変える! あの主人公に惚れ込むヒロイン「更科 瑠夏」の魅力とは

 視聴者の方はお気づきだと思いますが、この物語は主人公である和也とメインヒロイン千鶴、そしてヒロインかどうかも微妙な麻美の3人だけでは、全く物語が進みません。

 3人だけですと、話を重ねる毎に和也が醜態を晒すだけの物語になってしまいます。

 これでは、いくらメインヒロインが魅力であっても観るのが苦痛になってしまうでしょう。

 そこで、新たに登場するヒロインが更科 瑠夏です。彼女の登場によりラブコメ(嘘)だったのが、やっとラブコメっぽくなってきます。

 クールビューティーな千鶴とは違い、瑠夏ちゃんは押しの強い熱血タイプの美少女です。また、少しワガママな困ったちゃんでもあり、よく和也や千鶴を困らせるムードメーカーとも言えます。彼女は、今まで全く脈が無さそうだった和也と千鶴の関係を刺激するライバルキャラクターと言えるでしょう。

 瑠夏ちゃんは千鶴と同じようなレンタル彼女で、ある偶然から和也と千鶴の関係が偽りであることに気づきます。しかし、2人の間にレンタルを越えた絆を感じた彼女は「レンタルをそこまで本気で想えるなら本当の彼女はもっと大事にしてくれる」と和也に想いを寄せるように……。

 モチロン、こんな単純な理由だけではなく、瑠夏ちゃんなりの大切な理由もあるのですが、それはアニメで紹介されると思うので楽しみにしていてください。

 そんな、瑠夏ちゃんの魅力はなんと言ってもその積極性です。和也を好きになった理由はイマイチ納得できませんが、一旦好きになれば一直線。家に泊まりこみ、家族に挨拶し、しまいにはキスまでしてしまう暴走列車です。

 一度でいいからここまで女の子に積極的に迫られたいという方もいるのではないでしょうか。瑠夏ちゃんはとんでもない、困ったちゃんですが、そんなワガママなところも可愛いと思える方にはオススメのレンタル彼女と言えるでしょう。

◆考えを変える切掛となる あの主人公を男前にするヒロイン「桜沢 墨」の魅力とは

 最後に紹介するレンタル彼女は桜沢 墨です。

 彼女は、この作品の中でも特殊な立ち位置のキャラクターで直接的に和也との恋愛劇に関わってくることのないヒロインとなります。アニメでは、かなり終盤で登場するヒロインになりますが、原作では和也の恋愛を後押ししてくれる数少ないキャラクターの1人です。

 墨ちゃんは、千鶴と同じレンタル彼女事務所の後輩になります。しかし、先に紹介した2人とは違い、かなりの人見知りでほとんど男の人と話すことができません。そのため、お客さんからの評価がイマイチでした。そこで、レンタル彼女としてデート練習をすることになったのが和也との出会いです。

 和也は普段、女の子の相手をするときは一切の余裕がなく空回りばかりでしたが、墨ちゃんとのデートでは、緊張する彼女をみて珍しく冷静に女の子の心情を考えるようになります。

 この経験を経て、自分のことばかりだった和也が相手のことを見る余裕をみせるようになり、また和也を喜ばせようと必死になっている墨ちゃんを見て人のために何かをしようと考えるようになります。

 そんな和也の成長を促す墨ちゃんの魅力は、他の2人にはない儚い可愛さです。とても一生懸命なのに、不器用で人見知りであるため上手くいかない彼女には、多くの視聴者が庇護欲をそそられることでしょう。

 『かのかり』の中では一番登場シーンの少ないヒロインですが、和也の相談相手として重要な局面では絶対に登場するキャラクターでもあります。

 人見知りであるため、マジで喋りませんが、その分照れる姿が非常に可愛らしく、「恥ずかしいけど相手のために頑張る」って姿勢がとても魅力的です。千鶴を女神とするなら墨ちゃんは天使と言えるかもしれません。

 登場はアニメの最後の方になりますが、一生懸命な女の子が好きな方にはオススメのレンタル彼女と言えるでしょう。

 

 ――3人のレンタル彼女たちはいかがだったでしょか。

 どの子もダメ主人公には勿体無いほどの魅力を持った女の子たちです。

 アニメでは偽りの恋愛しか描かれませんが、原作では徐々にラブコメっぽくなってきます。今回紹介した魅力的なヒロインたちのラブコメが気になる方はぜひ、原作も読んでみてください。

(Edit&Text/天乃ひる)


TVアニメ『彼女、お借りします』公式サイト

© 宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会

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