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 『鬼滅の刃』では、主人公の竈門炭次郎が鬼殺隊の剣士として歩み、これから鬼退治へと物語は新たなステージへ進んでいきます。

鬼滅の刃 画像

画像引用元:鬼滅の刃 1(完全生産限定版) [Blu-ray] 販売元:アニプレックス

 そして新しいステージへ進む際に、炭次郎の前には今まで見聞きしたこともない素材や道具、動物などが登場します。代表例としては、日輪刀(にちりんとう)や鎹鴉(カスガイガラス)など。

 これらの創作アイテムのネーミング、なんだかカッコよくて、言葉に出してみると妙にリアリティがありますよね。実際そういうものがあるんじゃないのかなあ~、と気持ちがワクワクしてしまいますが、実際には存在しない……、残念でなりません。

 しかし、これらの架空アイテムの命名には、実際に存在する言葉を使われています。そこには何らかの意図が色々と組み込まれているハズ。そこで、『鬼滅の刃』に登場した未知なるアイテムのネーミングにはどんな意味や秘密(?)が込められているのか考察してみました。 

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日輪刀(にちりんとう)

 鬼殺隊の剣士に支給される、太陽の光以外で鬼を殺せる刀。

 漢字の雰囲気や言葉の響きから、輪のように丸い、太陽の力を秘めた刀なのかなあ、となんだか想像できそうです。実はこの「日輪」、太陽の別名だとか。なので「太陽刀」と言い換える事もできるのですが、あからさま過ぎて面白みがない感じですよね……。でもそこを、日輪という普段聞き慣れない言葉で表現することで興味を引かれ、漢字の雰囲気から意味を察するようにしたのは、なんだかセンスを感じてしまいます。

 さてこの日輪刀は、陽の光を吸収する猩々緋砂鉄(しょうじょうひさてつ)と、猩々緋鉱石(しょうじょうひこうせき)で作らていますが、この「猩々緋」って一体なんのことやら。ですがちゃんと意味がありました。それは「色」です。

 猩々緋とは、赤とか黄、青、緑など、そういうものの一つだったんです。では一体どんなカラーかというと、赤みの強い紫がかった赤色、だそうです。

 室町時代後期以降に流行った色で、南蛮貿易での輸入品、ラシャという毛織物の色を表す時に生まれた言葉らしいです。武士の間で好まれ、あの織田信長も戦用の羽織に使用していたとか。

 となると、この猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石というのは赤みがかった物質である、と想像できます。ただアニメでは炭次郎が刀の鋼を選ぶ場面で、鋼自体が赤みを帯びていなかったので、薄くてよく見ないと分からない程度なのかも知れません。

 猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石は、一年中陽が射している陽光山という場所で採れるということなので、陽の光を浴び続け熱を生じ赤みを帯びている感じがしそうです。なので猩々緋という言葉を当てがったのかも知れませんね。

鎹鴉(カスガイガラス)

 黒一色のいで立ちに、野太くてかん高い鳴き声をはなつせいか、鴉には不吉なイメージがあります。「鴉が鳴くと人が死ぬ」という迷信があるくらいです。実際そんなことはないですが、この怖い印象を『鬼滅の刃』では上手く生かしているなと感じさせます。人食い鬼が町に出没した際、町に向かえ、人食い鬼が出た、退治しろ、という指令を、鎹鴉は人の言葉を使い鬼殺隊の剣士に伝えます。そしてこの指令の裏には、人食い鬼によって死人が出ているという意味でもある。迷信の「鴉が鳴くと人が死ぬ」を上手く表現していると感じられます。

 さて、この鎹鴉の前に付いている、「鎹」にはある意味が込められていると思われます。鎹とは、建築の際、木材と木材を繋げる又は固定するために使われる、コの字型の釘の事を言います。そして、建築材を繋ぎとめる役割があることから転じて「子は鎹」という、ことわざが存在します。子供は夫婦仲を取り持つ、といったものです。このような言葉の存在が、鬼殺隊剣士への連絡用の鴉に、「鎹」を付けたのではないかと思われます。剣士と鬼殺隊という組織との繋がりを取り持つ、と言った意味が込められているのかもしれません。また、剣士と人食い鬼との黒い因縁関係を取り持つ、という不気味で恐ろしい側面も持ち合せているとも感じられます。

竈門禰豆子が入る箱

 炭治郎が昼間、妹である禰豆子を背負うための箱。太陽の光を遮り、禰豆子を安心して運べる便利な代物ですよね。特別な材料で作られており、使用されている木材が霧雲杉(きりくもすぎ)というもの。非常に軽いという特徴を持っています。漢字や言葉の響きから、とても軽いイメージが湧きやすいですよね。この霧雲という言葉、なんだか創作のように思えそうですが、実際にちゃんとあるんです。

 霧雲とは、空に出来る雲の1つの名称で、ぼんやりと輪郭がはっきりしていなく、霧のような雲のことを言います。さらには霧をもたらす雲の代表格でもあるそうです。

 非常に軽い杉材、というのを言い表すのにとてもマッチしていて、こういう言葉を組み合わせるところは面白いなあと感じてしまいます。

 さらに、この禰豆子が入る箱は、岩漆(いわうるし)というもの塗って強度を上げています。漆は工芸品などで使われ、そんな漆もあるのかなあ、と信じてしまいそうですが、残念なことに無いみたいです。ですが、工芸品などでは漆を塗ることにより強度が上がります。なので、そこの部分はリアリティがある。

 そしてここで一つ紹介したいのが、漆の接着剤としての役割。接着力もかなりあり、江戸時代には割れた磁器を繋げるために、小麦粉と漆を練り合わせたものがよく使われていたそうです。そのような漆を麦漆(むぎうるし)と呼びます。この部分に岩漆というネーミングにグッと魅力を感じるんですよね。漆に何か混ぜ物をして、漆の特性を上げる。実際に、小麦粉を混ぜて接着力を上げ、使用する例がある事から、この岩漆にもリアルさを感じます。禰豆子が入る箱の強度を上げるために漆を塗る。でもそれでは人食い鬼との戦闘時に破壊される恐れがある。そこで漆に、なにか頑丈な岩を粉にした物を混ぜ合わせ、強度をさらに上げた特別製の漆を使用した。とそんな風に想像できて、ちょっとロマンを感じます。

 

――さて、『鬼滅の刃』に登場してきた未知なるアイテムについて、調べ探ってみたのですが、作者の言葉選び、その言葉遊びが、すごくユニークでセンスがあるなぁ、と強く感じさせられました。どれも架空のものだけど、昔から日本で使われていた言葉を上手にあてがい、たとえ意味を知らなくても漢字の雰囲気や言葉の響きでイメージを膨らませれるようにしてあると感じられます。まあ中には、難しいのもありますが。猩々緋とか。筆者も調べるまでなんのことかさっぱりでした……。

 ちなみに猩々って、龍や麒麟など、伝説上の生き物の1つらしいです。そしてジブリ映画『もののけ姫』に登場しているという。ちょっとしたプチ情報。

 さてさて、今後も色々と聞き慣れないアイテム名が出てくると思われますが、その時は漫画のストーリーとは別に、ちょっと楽し気な物が出てきたと、興味の赴くままに調べて、作者はこんなことを考えて付けたのかなあ、と妄想し楽しむのも面白いかも知れませんね。

(Edit&Text/おみくじ)

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©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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