ゴールデンウィークも終わり、春休みから続く映画館の大作ラッシュが区切りを迎えます。そんな5月半ば。ついに『夜明け告げるルーのうた』が封切となります。
『夜明け告げるルーのうた』は、『マインドゲーム』そして『夜は短し歩けよ乙女』を送り出したばかりの湯浅政明監督の最新作映画です。
湯浅監督と言って、ピンと来ない人が居ると思いますが、『クレヨンしんちゃん』で奇抜なアニメーションを作っていた人と言えば、「この人が作ってたんだー」と気づく人も居るんじゃないでしょうか(最近では『逆襲のロボとーちゃん』の巨大ロボ対決シーンなんかが印象的でした)。
そんな湯浅政明監督の最新作『夜明け告げるルーのうた』は、ガッツリ大衆向けを意識して作ったものらしく、「『人を選ぶ』と自身の作品を評されることに対して、監督自身が思うことをメッセージとして込めた作品になる」そうです。
宮崎駿監督や細田守監督ほど一般の知名度のある監督じゃないだけに、ぜひ大ヒットして、本作でその段階へ行って欲しいと、ささやかながらファンの私は思っている次第でございます。
さて、そんな『夜明け告げるルーのうた』ですが、宮崎駿監督の名前が出たところで、人魚の女の子が登場する物語ということもあり、あのアニメ映画を思い出しませんか?
そうです『崖の上のポニョ』です。
魚少女のパイセン・ポニョ
魚で女の子で・・・というと日本のアニメ界では『崖の上のポニョ』を思い出さずにはいられません。
ポニョは人魚ではなくどちらかというと“魚人”なんですが、モチーフとして『ルー』とやはり似ている気がします。
『崖の上のポニョ』は2008年に公開された映画で、興行収入150億を超える大ヒット作品となりました!
魚少女物として『夜明け告げるルーのうた』もこれぐらいのヒットになって欲しいですが、ポニョとルーにはもう少し“共通点”があると思っています。
それは……ビジュアルの気持ち悪さです!
キモ可愛いポニョ(失礼)
いきなり“気持ち悪い”なんて表現すると大変失礼ですが、これ、褒めております。
『崖の上のポニョ』におけるポニョは、パッケージビジュアルやスクリーンショットなどでは、小さな金魚のような状態や人間の女の子のような状態がピックアップされがちですが、本編には“それ以外の形態”も登場します。
中でも魚と人間の中間ぐらいのバランスになった魚人状態のポニョが非常に気持ち悪い!
カエルの様な顔に、どこに焦点を当ててるのかわからない瞳、アヒルみたいな足・・・この得体の知れないビジュアルがなんとも言えない不気味さとなって、魅かれるものがあります。
このビジュアルのポニョも商品化されており、キモさはそのままにぬいぐるみマスコットとなっており、
「魚少女のヒットにはこのキモ可愛さは非常に重要な鍵なのではないか」
と予想しております。
では『夜明け告げるルーのうた』のルーは気持ち悪いのかどうかについてなのですが、これに関して、現在公開されている予告編をちょっと見て欲しいのです。
ルーもなんだか気持ち悪い!?
これが現在映画館などでもガンガンにかかっている予告映像です。
【動画引用元】
『夜明け告げるルーのうた』予告映像
湯浅政明監督の画が活きたうねうねした動きで描かれたルーの骨格感や、他のキャラクターよりも大きい瞳や口、とそれに対して小柄な体。
そして映像の終盤、主人公・カイくんがルーのことを叫んだあとのシーンの、ルーの「ピュイ―――!」という文字にし辛い叫び。
総合的にやっぱり気持ち悪い!
このルーに感じる得体の知れない生物感がまさにポニョに感じたものに似ていて、あの『崖の上のポニョ』のようなすごい映画となるんじゃないかという期待を私は持っております。
ルーはきっと、ポニョのようにキモイ、魅力的なキャラクターに間違いありません!
――TVアニメ映画と違って、劇場オリジナル作品はジブリでもなければなかなかヒットしにくいのが実際なのですが、『夜明け告げるルーのうた』にはぜひそのセオリーを打破する作品となって欲しい限りです。
その突破口が実はこのルーのキモさではないかと思っている次第。
『夜明け告げるルーのうた』は5月19日公開です。
約10年前、ポニョのビジュアルに魅せられた皆様。ルーのポテンシャルに要注目ですよ!
(Edit&Text/ネジムラ89)
©2017 ルー製作委員会