◆コナンだけじゃない?シリーズ作品に最高成績作品が続出

 『名探偵コナン』シリーズだけでなく、2023年は『クレヨンしんちゃん』や『プリキュア』シリーズなどの恒例のアニメーション映画シリーズでも歴代最高成績が続出した年でもありました。

 夏休みシーズンの興行に挑むこととなった『クレヨンしんちゃん』の映画シリーズ最新作の『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司』ではシリーズでも初めての3DCGアニメーション映画として登場。これまでの最高成績を残した『クレヨンしんちゃんオラの引越し物語~サボテン大襲撃~』の22.9億円を超える興収23億円に到達し、シリーズ歴代最高作品となりました。

 一方の『プリキュア』はシリーズ20周年記念作として久しぶりの歴代キャラクター集結作の“オールスターズ”シリーズとして『映画プリキュアオールスターズF』が9月に公開されました。これまでの最高成績を残した『映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』の興行成績11.5億円を超えて、シリーズ最大の興収14億円に到達したことが発表されています。

 新型コロナウイルス感染症により、ここ数年はファミリー映画は軒並み成績が以前よりも低調となる傾向がありましたが、ついに今年はその影響も解消されたように受け取れる良い結果が続きました。

◆大ヒット映画はそれだけじゃない?こんな話題作もあり?

 特大ヒット作やシリーズ作品だけでなく“アイナナ”などのメディアミックス作品や、ミニシアター系のアニメーション映画でも目を見張る成績を残した映画が登場しています。

 発声応援上映が再開され始めた2023年を代表する作品として、ロングラン上映の末に観客動員数160万人・興収28億円という記録を残したのが『劇場版アイドリッシュセブンLIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』です。作中に登場する16人のアイドルがレインボーアリーナにて合同ライブを実施する内容で、実際に行われるライブのように“DAY1”と“DAY2”のバージョン違いなども存在するのが特徴です。

 シアター・イメージフォーラムなどスタート時の上映館数がわずか3館だったにも関わらず、満席完売が続出し話題になったのがチリのストップモーションアニメーション『オオカミの家』です。チリの南部を舞台に、ドイツ人の集落から逃げ出した少女が体験する不思議な体験を、部屋全体をアニメーション化して見せるという驚異のホラー作品となっていました。

 同時上映には『ミッドサマー』でも話題になったアリ・アスター監督が製作総指揮に名を連ねる短編『骨』も上映。こちらも不気味な少女が怪しい儀式を行う作品となっており、その不気味な作風が話題となりました。

 まだまだ興行がはじまって時間が経っていない年末公開作品でも『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』や『窓際のトットちゃん』といったアニメーション映画が口コミ効果で話題となっていたり、『SPY×FAMILY CODE:WHITE』が初週末で早くも興収10億円を超えるロケットスタートを切っていたりと、アニメーション映画の目立ったニュースは2024年も続いていきそうです。

 2023年中に「そういえば見逃していたなぁ」という映画があれば、年末年始の鑑賞作品としてこれらのヒット作をおさえておくのもよいでしょう。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『東映アニメーション公式YouTubeチャンネル』より

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