◆『ONE PIECE』の最初のアニメ『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』とは
現在まで続くTVアニメ『ONE PIECE』シリーズが始まったのが1999年。多くの人が思う『ONE PIECE』のアニメーションの歴史の1ページ目はこの点を想像すると思うのですが、実はそれよりも一足先の1998年。OVAとして『ONE PIECE』は先行してアニメーション化を果たしていた過去を持ちます。それが、週刊少年ジャンプの人気漫画をアニメ化する企画『ジャンプ・スーパー・アニメツアー’98』内の30分ほどの中編『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』でした。
この企画では、当時連載が始まって間もないながら人気の高かった作品『HUNTER×HUNTER』や『世紀末リーダー伝たけし!』と合わせて、『ONE PIECE』もオリジナルストーリーでアニメ化した作品です。登場キャラクターも当時はまだ少なく、ルフィ・ゾロ・ナミという本当に初期の構成の一味が、オリジナルキャラクターの海賊ギャンザックに捕らえられ、戦う物語となっていました。
そして、そんな記念すべき最初のアニメ化作品となった『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』の監督を務めた人物こそ、当時はまだ『無限のリヴァイアス』も監督する前だった谷口悟朗さん。何を隠そう本作で監督デビューを果たしたのです。
このタイミングで監督に谷口悟朗さんを起用したのには、もしかすると原点回帰の側面もあるのかもしれません。物語のキーキャラクターである赤髪のシャンクスとの関連性も予感させるタイトルや特報映像からも、ルフィにとってルーツとなる重要な物語が、谷口さんのもとで描かれていくのかもしれません。