◆ビッパが主役のアニメ『Bidoof’s Big Stand』公開!
こうして見ると、制作側が悪ふざけでビッパで遊んでいるんじゃないのか?と思ってしまうところですが、2022年1月12日、さらなるビッパコンテンツが公式で発表されました。
それが、ポケモンの海外向けYouTubeアカウントで発表された新作短編アニメ『Bidoof's Big Stand』です。Bidoofとはビッパの英語名であり、なんとビッパを主人公にしたアニメなのです。
主人公のビッパは、仲間にも鬱陶しがられて仲間外れにされるのですが、ポケモントレーナーのポケモンに救われたことをきっかけに、トレーナーのポケモンになります。得意の前歯で、フィールドの障害物を取り除くことに重宝されるのですが、かっこよく活躍したいビッパは次第に不満をもっていくのですが、ある日転機が訪れる……という物語。
ゲームで遊んだことがある人にはわかるのですが、実はビッパは、実際にゲームでも戦闘では使わずに障害物を乗り越える為だけに持ち歩かされがちなポケモンの筆頭でした。そんな特徴にスポットを当てるところからも、このアニメの企画のビッパ愛は本物。海外のポケモンスタッフには本当にビッパが好きな方がいるのでしょう。
そして実は、このアニメーションもやけに上質なグラフィックだと感心させられるわけですが、それもそのはず、このアニメを制作したのはTAIKOスタジオという海外の有力アニメーション制作会社です。
2018年に短編アニメーション『One Small Step』を発表し、第91回アカデミー賞の短編アニメ部門にノミネートされたり、海外の映像作品賞でも複数の受賞を果たして注目を浴びており、そりゃあここが作れば良いものが出てきますよね、というマチガイナイ企画となっていたわけです。
どうでしょうか、日本を置き去りに海外で盛り上がるこのビッパムーブメント。このビッパの波はもしかすると、どんどん日本へも波及していくかもしれません。いつの日か、サトシの横に並んでいるのがビッパになっている……なんて危機感をピカチュウさんも抱いて良い頃でしょう。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』(https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd)を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi