『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』がついに完結しました。
非常に長いストーリーでしたが、振り返ってみると結構面白かったですよね。
そんなアリシゼーション編が終わり寂しい気持ちになった一方で、また新たに『SAO』シリーズのアニメ化が決定し大きく盛り上がっています。
<画像引用元:https://sao-p.net/ より引用掲載 ©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project>
しかし、アニメ化が決定したのは、『SAO』の外伝小説。
本編に大きく関わってくる話のようですが、どんな話なのか気になってしまいますよね。
そこで、今回は次にアニメ化される『プログレッシブ』がどんなストーリーなのかを紹介していきます。
◆『SAO』の原点アインクラッド編 第1層から順番に攻略する物語
<画像引用元:https://www.swordart-online.net/aincrad/ より引用掲載 ©川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO-P Project>
『プログレッシブ編』を簡単に説明すれば、リメイクのような新作です。
そもそも『プログレッシブ編』とは、本編小説『ソードアート・オンライン』にある話ではありません。実はこの物語『SAO』にある外伝小説『ソードアート・オンライン プログレッシブ』という小説が原作なのです。
その内容というのが、なんと『SAO』原作1巻、2巻(アニメ第1期前半)で描かれたアインクラッド編を再構成する物語になります。
アニメでもそうでしたが、原作『SAO』では、アインクラッド編はあっと言う間に終わってしまったよね。超重要な局面のみが詳しく語られるだけで、それ以外の話は「そんな出来事があった」程度にしか紹介されません。テンポがいいと言えばそうなのですが、少し勿体無く感じませんでしたか。
『プログレッシブ』では、その辺りが凄く詳しく語られます。そのため、基本筋は同じですが、リメイクと言えるほど同じ内容ではありません。寧ろほとんど知らない話が多く、過去編でありパラレルワールドのような作品となっています。
<画像引用元:https://www.swordart-online.net/aincrad/intro/ より引用掲載 ©川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO-P Project>
なんだかんだ言って、『SAO』で一番ワクワクした物語は、デス・ゲーム「ソードアート・オンライン」に囚われ、命懸けでゲームをクリアしていく部分ではないでしょうか。そのワクワク感が『プログレッシブ編』にはあります。『SAO』でアインクラッド編が一番好きな方にはオススメの物語と言えるでしょう。
このように『プログレッシブ編』はファン待望の素晴らしい作品と言えるのですが、ただ一つ難点があります。
この『プログレッシブ編』あまりにも丁寧に描かれすぎているため、全く話が進まないのです。ガチで話が進みません。
『プログレッシブ編』の原作は6巻まで刊行されているのですが、6巻で6層までしか進んでいないのです。つまり1巻1層攻略。このままでは「ソードアート・オンライン」クリアまで70巻以上かかる計算に……。
アニメ『SAO』第3話では11層に話が飛びますよね。『プログレッシブ編』ではそれにすら達していません。
そう、物語の終わりが見えないのが、『プログレッシブ編』の欠点なのです。また、もう一つ欠点をあげるとするならば、なんとこの『プログレッシブ編』2018年から新刊が出ていません。
まぁ、アニメ化するので新刊は発売されると思いますが、おそらく完結することのない物語となるのではないでしょうか。
そんな『プログレッシブ編』ですが、アニメ化された際は、おそらくアインクラッド編10層もいかないハズです。
『プログレッシブ編』はアニメ『SAO』2話と3話の間を埋める話として楽しむのがいいと思います。
◆アスナは初めから登場するの? キリトとの関係はどうなる?
<画像引用元:https://sao-alicization.net/story/?id=20 より引用掲載 ©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project>
アインクラッド編を再構成する作品と聞いて視聴者が一番気になっているのは、アスナがちゃんと登場するか否かではないでしょうか。
アスナはアニメ『SAO』では、序盤から登場するものの第2話(第1層)で初登場してからは、一旦出番がなくなり、次に登場するのが第5話(第56層)になります。
そのため、「プログレッシブ編(第1層~第6層)にアスナがあまり登場しないのでは」と、SNS上で一部視聴者たちが懸念しています。
結論から言いますと、アスナは登場します。バリバリ登場します。寧ろ、『プログレッシブ編』はキリトとアスナがイチャイチャする物語と言っても過言ではありません。友達以上恋人未満のような関係が描かれており、ここからどうやったら一旦仲が悪くなるのか非常に疑問に思ってしまうほどです。
<画像引用元:https://sao-alicization.net/story/?id=19 より引用掲載 ©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project>
『プログレッシブ編』は、結末がネタバレされているようなものでもあります。
アニメ第3話(第11層)では、暗い表情のキリトがソロとして行動していましたよね。そのため、何かしらの理由があってアスナと袂を分かつこととなるのですが、果たして何が原因でそうなるのでしょうか。
また、第5話(第56層)ではキリトとアスナは攻略方針を巡って対立する関係になってしまっています。最終的には夫婦に落ち着くとわかっていても、何が2人をそういった関係にしたのかが語られるであろう『プログレッシブ編』には大注目です。
アスナ以外のキャラについてですが、原作6巻で6層とうことは、つまり、シリカやリズベットのような上の階層で初登場したキャラクターは残念ながら登場しません。その代わりと言ってはなんですが、情報屋のアルゴやエギルなどが序盤から登場し、キリトやアスナのサポートをしてくれます。
親しいキャラだけではなく、キバオウやプレイヤーキルギルドのラフィンコフィンメンバーも登場し、物語を盛り上げてくれるので、そういった『SAO』のサブキャラにも注目です。
◆物語のカギを握るのは新キャラ? どんなストーリーになるのか?
<画像引用元:https://sao-alicization.net/story/?id=18 より引用掲載 ©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project>
この『プログレッシブ編』は、物語的にも実は重大な問題点があります。それは新キャラの登場が難しいことです。
物語を進めていく上で、新たなキャラが登場することは非常に重要ですよね。物語が広がっていきますし、新たな展開にも持っていけます。しかし、『プログレッシブ編』が本編の詳細な過去編である以上、不用意な新キャラを登場させては後の物語に矛盾を発生させてしまうことになりますよね。
現在の『SAO』の主要キャラは「ソードアート・オンライン」で苦楽を共にしてきた戦友であり親友となっているキャラたちがほとんどです。アスナは勿論、クラインやエギル、シリカ、リズベットはアインクラッド時代に出会った仲間ですよね。
それ以外のキャラが『プログレッシブ編』に登場しキリトと活躍してしまうと「あれ、そのキャラどうなったの?」「もしかして死んだ?」となってしまうわけです。
「キリトとアインクラッド攻略に大きく関われば、その後も関係が続いているはず」
という固定観念が視聴者、読者の中にはあります。そのイメージを壊さないで新キャラを登場させることが必要になってくるのです。アルゴやキバオウなど、あまり本編では登場しなかったキャラが登場するもいいですが、キリト・アスナと並ぶメインキャラにはなりませんよね。
そこで、登場するのがNPCです。NPCならば、アインクラッド編が終わった後、物語に一切登場してこないのも納得。最強のNPC・ユイのような本当の人間と変わらないようなNPCが『プログレッシブ編』では登場します。
『プログレッシブ編』では、ベータテストの際イベントで死ぬハズだったダークエルフのキズメルという女性NPCが仲間になってアインクラッド攻略を手助けしてくれる展開に。
キズメルが登場してからの話は、このキズメルと冒険をする話か、キズメルを他の攻略組から隠す話が中心になってきます。
<画像引用元:https://sao-alicization.net/story/?id=18 より引用掲載 ©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project>
オープンワールドゲームを攻略しているようで非常に面白い物語なのですが、このキズメルがユイのように後の物語に登場していないことから何かしらの理由で消えてしまったことを意味します。少なくとも第3話11層の時点ではすでにいなかったので、実は別れの見えている悲しい話でもあるのです。
また、注目して欲しいのが、アニメ『SAO』第5話(第56層)でアスナがボス攻略の際にNPCを犠牲にする戦略を取ろうとする場面があります。キズメルというNPCと親友と呼べるほど仲良くなったはずのアスナに一体何があったのでしょうか。キズメルとの別れ話が大きく関わってきそうで、『プログレッシブ編』の大きな注目点となっています。
――プログレッシブ編は、『SAO』初期のような殺伐とした雰囲気と、ゲームを攻略しているような和やかな雰囲気の両方があるので、『SAO』が好きな視聴者にはオススメの作品となっています。
放送開始まで、まだしばらくあるので、原作を読んでおくなどの楽しみ方をしてみてはいかかでしょうか。
(Edit&Text/天乃ひる)
「ソードアート・オンライン プログレッシブ」オフィシャルサイト
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