前回、スーパー戦隊の恋愛事情についてお話ししましたが、今回、遂に私は禁断の果実に手を出そうと決めました。それはズバリ……恋愛事情・悪役編です。
そう、恋愛はヒーローだけの特権ではない! ヒールキャラにだって恋をする権利はあるのです!! 神様は平等ですからね。
そこで今回は、悪役×ヒーロー、悪役×悪役などなど、バラエティ豊かなラインナップで許されない恋とその行く末をご案内したいと思います。
人間と人外は結ばれるのか?
丁度紹介したい二大戦隊が同じパッケージに収まっていたので貼り付けてみました。まず最初の作品は、スーパー戦隊シリーズ第37作目の『獣電戦隊キョウリュウジャー』。禁断の恋に足を踏み入れるのは、キョウリュウブルー・ノッさんこと有働ノブハルと、敵方デーボス軍の幹部、喜びの戦騎 キャンデリラです。
おいおい、またキョウリュウジャーかよ、他にも戦隊あるでしょ? と思っている君。この二人を甘く見てはいけません! 前出のキングとアミィ、あんな生ぬるいカップルなんかより(ごめんなさい)よっぽど胸キュンな恋愛模様が描かれているんですよ!!
キャンデリラは人間の姿に変身することができるので、その状態でノッさんと何度か遭遇、時にはお見合いをしちゃったりと交流を重ねることでお互いに惹かれ合います。
自分を守って命を落としたアイガロンの最期を目の当たりにしたキャンデリラをノッさんが励まし、逆にノッさんが最終話直前でダイゴが行方不明になり悲しみに暮れている時にはキャンデリラが彼を元気づけました。
結局結ばれることはなかった二人ですが、テレビシリーズの100年後を描いた作品、『帰ってきた獣電戦隊キョウリュウジャー 100 YEARS AFTER』ではお互いの絆を感じさせるエピソードも。
100年後の世界ではトリンの替わりに賢神となったキャンデリラが新たなキョウリュウジャーを招集します。敵の策略で誰がどの色を担当しているのかわからなくなる面々。でもノッさんの子孫であるノブ太がブルーであることだけは確信するキャンデリラ。
そしてこのノブ太さん、ノッさんの直系ではなく妹の娘の孫(ややこしい)。ということは? そうです、ノッさんは生涯独身を貫いていたんです。そこにはキャンデリラへの想いがあったのかなあ、何て想像すると……、
もう!! 堪りません!!!
そして、余韻のないまま次の作品にまいります。スーパー戦隊シリーズ第38作目の『烈車戦隊トッキュウジャー』。こちらにはトッキュウ2号・トカッチこと渡嘉敷晴とトッキュウ3号・ミオこと夏目美緒の鉄板純愛カップルがいるのですが、私が今語りたいのは敵キャラカプなので、二人のことはちょっと置いておいて。
取り上げたい人物は、敵対勢力・シャドーラインに属する闇の皇帝・ゼットと、その皇帝に仕えるノア夫人の娘・グリッタ嬢です。
二人は同じシャドーライン組。ゼットはグリッタ嬢を気に入っており、しかも彼女はゼットの婚約者として育てられてきたので、本来であれば何の邪魔も入らず結ばれる筈なのですが……そうは問屋がおろしません!
何とグリッタ嬢、ゼットに仕えるシュバルツ将軍に恋をしているんですね。というか、ゼットは人間体なのですが、グリッタ嬢と将軍は怪物……いえ、個性的な造形をしていらっしゃるので(ゴホン)ゼットがグリッタ嬢に迫る姿や、彼女を巡って男二人が対峙する様子はまるでコント……いえ、中々に斬新な映像です。
シュバルツ将軍はというと、グリッタ嬢に対して恋愛感情はなく、むしろ利用してやろう位にしか考えていなかったのですが、どんな目にあっても自分のことを想い続けてくれる彼女の気持ちに打たれ、最期はグリッタ嬢を助けてその命を散らします。
シュバルツ将軍以外に母親であるノア夫人までも失ってしまうグリッタ嬢。でも彼女はその経験を経て強く成長し、ラストではゼットと共に闇の中へと消えていく……その後、二人が結ばれそうな余韻を残して物語は終わります。
あ、少し話はそれますが! グリッタ嬢がシュバルツ将軍への愛ゆえに城から逃げ出して江ノ電に乗っていた時の映像は堪らなくシュールでした。
主従関係が加速する大人の恋
そして次に、この二人なくして恋愛事情・悪役編は始まらない、まさにベストオブ・ヒールカップルをご紹介したいと思います。
スーパー戦隊シリーズ第31作目の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』に登場する、臨獣拳の当主・理央と、理央の部下である女幹部・臨獣カメレオン使いのメレ。
リンリンシーであるメレを蘇らせ生身の頃の姿を与えたのが理央。そのため二人は主従関係にあり、メレはとにかく理央様ラブ! 彼に対して強い愛情と絶対的忠誠心を抱いています。
理央に害を及ぼす存在は例え仲間であろうとも容赦しない。だがしかし、理央の前では純真な乙女の姿を見せるメレ……照れるし、妄想するし、愛情表現だってしちゃいます。
もう、可愛すぎやろー!!!!
ゲキレンジャーに関してははっきり言ってヒーローサイドはどうでもいい! メレと理央の恋愛模様だけでご飯が何杯でも食べられる勢いです。
その上、メレが恋焦がれる理央様は……ツンデレ!
態度は冷徹でクール、メレの愛情表現に見向きもしませんが、彼女のことは認めていて「我が片腕」と呼び信頼を寄せています。
そして終盤でメレがロンに攫われた際、自分の中で彼女がかけがえのない存在になっていたことに気づく理央。彼女をロンから助け出したあと、いきなりデレ始めます。今までのクールさはどこに行った? 状態ですが、その言動、態度がデレデレで……
もう、可愛すぎやろー!!!!!!!
とにかくこの二人、可愛いんです! 可愛すぎるんです!!
その後、ラスボス・ロンとの最終決戦が始まり、最初にメレが、そして続いて理央も命を落とします。理央が死後の世界で目を覚ますとそこにはメレがいました。
手を取り合って歩いて行く二人……涙なくしては見られない感動のシーンです。
そして最後に、再びスーパー戦隊シリーズ第15作目『鳥人戦隊ジェットマン』の話を。実はジェットマンにも禁断の愛があります。
ジェットマンのリーダー・レッドホークこと天堂竜と次元戦団バイラムの女幹部・マリア。マリアは元々、藍リエという竜の恋人で、竜と一緒にジェットマンになる筈がバイラムの襲撃を受け次元の歪みに吸い込まれ、ラディゲに洗脳され敵側の幹部となってしまいます。
31話にしてやっとマリア=リエだと気づき、彼女を助けようとする竜。そこにマリアに執着する敵の幹部・裏次元伯爵ラディゲとロボット幹部・グレイ、竜のことが好きな香、香のことが好きな結城凱(ブラックコンドル)と大石雷太(イエローオウル)が参戦し、恋愛模様はますます混戦状態に! まさに戦うトレンディドラマを地で行く作品です。
あ、これを忘れずに言っておかなければ。
だから早坂アコ(ブルースワロー)を忘れてるってば!!!
これだけ敵も味方も恋愛に絡んでいるのになぜいつまで経っても参加出来ないのか……いつか仲間に入れるといいね、アコ。
(Edit&Text/彩乃)