その企画を聞いて、『テニスの王子様』を知るその多くが、“何かが起こる”と予想したのではないでしょうか

 2021年9月3日より『リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』が<Decide>と<Glory>の2タイプ形式で劇場上映をスタートしました。

 その形式もさることながら、あの『テニスの王子様』ことテニプリが、フル3DCGアニメーション映画として制作されることや、予告編ではダンスシーンが登場するなど、上映前から明らかに“なにかが起こっている”映画なのだろうということが予測できたのではないでしょうか。

 公開まもなくさっそく、劇場に確かめに行ってみたのですが、やはりこの映画、なにかは起こっていたのです! 改めてこの映画で起こっていた衝撃の数々をできる限り、予告編で明かされている内容以上のネタバレは含まない形でお伝えしていきます

◆まさかそれが有りだなんて!今回はタイムスリップだ!

 『リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』では、「週刊少年ジャンプ」で連載していた『テニスの王子様』、そして2009年よりジャンプスクエアで連載をスタートした『新テニスの王子様』の間の物語が描かれることになります。

 全国大会決勝を経た、主人公の越前リョーマがLAに武者修行に向かい、そこでなにをしていたのか、今まで明かされていなかった空白期間の秘密が明らかになりました。なんとリョーマくんはこの期間にタイムスリップして、過去に飛ばされていたのです!

 『テニスの王子様』といえば、テニスを題材にした漫画で有り、登場人物たちが透視能力を駆使したり分身したりといったサプライズはあれど、これまでタイムスリップといったSF要素は登場してきませんでした。そんな中での今作ですよ。リョーマ君は本当に過去へとタイムスリップし、そこで若かりし現役テニスプレイヤーの父に出会うわけです。やはり「劇場版」といったら今までにない驚きがあって欲しいもの。今作で繰り広げられるタイムトラベルはまさに、映画ならではの試みといってよいでしょう。肝心のどうやってタイムスリップしたのかなのですが、そのあたりの驚きのきっかけにも注目です。

◆いわゆる“テニミュ”の文脈に乗っ取った劇場版だ!

 複数のメディア展開を経てきている『テニスの王子様』ですが、その中でも語らずには置けないのが、ミュージカル演劇シリーズです。

 ミュージカル『テニスの王子様』こと通称、テニミュは、2003年の公演を皮切りに徐々に人気を獲得し、毎年、毎年新たな新作が公演される人気シリーズとなりました。一度はミュージカルシリーズも完結を迎えたもののすぐに2ndシーズン、3rdシーズン、そして4thシーズンが始まり、TVアニメシリーズよりも息の長い作品となりました。独特のセリフ回しがネット上でもカルト的な人気を博し、ミュージカルでありながらもカラオケなどで配信されいるので、人によっては公演を観に行ったことはないものの、その片鱗に触れたことがある人も多いでしょう。

 そんな中、今回上映された『リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』はまさにそんなミュージカルシリーズの文脈にも乗っ取った作品となっていたのです。

 いつもはクールなはずのリョーマくんを含め、登場人物の感情が高ぶったり、ここぞというシーンには突如としてミュージカルモードがスタート。歌って踊って映画を盛り上げます。

 その突拍子のなさに最初こそ戸惑う人もいるかもしれませんが、大丈夫。自然とその映画のテンションに慣れられるように作られているので、ミュージカルシリーズに馴染みがないという人も、“テニミュとはこういう世界だったのか!”と楽しく体験できる機会となっています。もちろん、そこでミュージカル始まるの!? という驚きもまた今作の味となっています。

◆ギョッとさせる普通じゃないテニスも健在!

 そしてなんといっても『テニスの王子様』の魅力は、ただのテニスで終わらない驚きのテニスの試合です

 映画の冒頭では、これまでのあらすじと世界観の説明を兼ねて『テニスの王子様』シリーズの最終戦にあたる青春学園vs立海大付属の戦いが描かれます。リョーマがテニスボールをワイヤーに当てることで真っ二つにするのですが、対戦相手の幸村はなんと、その割れた玉を両方打ち返します。しかし、リョーマはさらにその二つのボールを両方ともスマッシュで返すという屈指の名シーンとなっていました。ある意味、この冒頭の名シーンを映像で観られるだけでもお腹いっぱいになるのですが、あくまでこれもプロローグにすぎません。

 本作では、タイムスリップした先で、原作読者も知らない新たなテニスの試合が描かれるわけです。リョーマの父親である越前南次郎の現役時代の驚きのテニスプレイはもちろんのこと、映画オリジナルキャラクターである女性テニスプレイヤー、エメラルドの活躍も必見。

⇒オリジナルサイトで写真を見る(全1枚)

 予告編では、テニスボールを蹴り返すかのようなシーンが映っていましたが、本編ではその真相もしっかり描かれており、エメラルドが“普通じゃない”テニススタイルの使い手であることが明らかになります。作中では複数のテニスの試合が描かれますが、どれもしっかり「えっ!?」と驚かされるシーンが用意されているのがさすがです。

 

 ――多くの人が感じたであろう“何かが起こる”という気配。

 『リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』では、まさにその気配の通りの“何か”を、予想をしていた人でも戸惑わせるほどの密度で体験させてくれる見事な映画となっていました。そして、それだけ聞くと珍品なだけではないのか? と思う人もいると思うのですが、見事なのはしっかり一本の映画としても筋が通っているところにあります。

 『テニスの王子様』をよく知るという人も、『テニスの王子様』をあまりよく知らないという人も、一緒にしっかり楽しめる作品となっているので、不思議な『テニスの王子様』の境地をぜひ体験して、“何か”の答えをその目で確かめてください!

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』(https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd)を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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