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 アニメも好調の中で最終回を迎えた『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、『ウマ娘』)。

 既に再放送の決定やアプリの配信も待たれるなど、まさに最高のスタートを切ったと言える『ウマ娘』ですが、6/20にウマ娘プロジェクト公式ホームページよりリリースされたニュースがある話題を呼んでいるようです。

参照URL⇒https://umamusume.jp/news/detail.php?id=news-0106

 その内容は、これからの活動において馬主や登場するモチーフとなる馬への配慮をお願いしますというものでした。これははっきりと「二次創作」や「ファン活動」という文言の記載は無いものの、馬のイメージを傷つけたり馬主に不快な思いをさせないような創作をしてください、と受け取れるものであり、ファンからは賛否両論が上がっているようです。

 さてこの公式からの通達、ファンの方たちはどのように受け取ればいいのでしょうか?

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肯定的、否定的な意見が交わる今回の通達

 今回の内容、ファンからは前述の通り賛否両論となっているようです。

 肯定的な意見としては、「馬は実在する生物である以上ある程度の配慮が必要だし仕方ない」という内容が多いです。ここらはいわゆる「ナマモノ」というジャンルにも関連するのでは? と考える人もいるかもしれません。

※「ナマモノ」とは、実在する人間を題材とした同人作品のこと。

 ネタにされた人の心理的な配慮や創作上のキャラクターとは違い人間には人格権が関わってくる点から、二次創作界隈では特にデリケートに扱われるジャンルの一つ。

 否定的な意見としては、「そもそも『ウマ娘』自体がダメなんじゃないの?」というものも。確かに『ウマ娘』は実在する馬をモチーフにした「擬人化」のジャンルに相当するものであり、『艦隊これくしょん』や『刀剣乱舞』などに近い性質を持っています。

 が、上記2作品は元ネタが生物ではありません。

 今回の騒動で一番の課題となるのは、モチーフが生き物であることにあるのだと考えられます(元ネタに所有者がいる、というのは共通していますが)。

 さらに別の意見としては「『ウマ娘』のえっちな同人誌が見られないのか……」という困惑の声。公式からの通達では「エロ禁止」「R18禁止」といった明確な文章は添えられてないので、完全に禁止されているわけではありません。そこを決めるのは、現状(おそらく)馬主なのかもしれません。でも……ダイワスカーレットちゃんのいやーんな絵が見たいという気持ちは私もわかります。だってデカイし。

公式側の配慮は十分にされていると思われる

 このコンテンツ自体、馬主や競馬界にとって不快なコンテンツにはなってないのか? という声については一理あると思います。

 確かに、近年の競馬界で大きな結果を残したディープインパクトやオルフェーヴルなどは、馬主らからの許諾が降りていないためか、登場していません。

 その他にもジェンティルドンナやブエナビスタ、ヴァーミリアンなど、いわゆる社台グループという競馬牧場グループに所属する馬のほとんどが出ていないことから、そもそも擬人化に否定的な馬主たちがいるのではないかと予想されます(もっと別の理由なのかもしれませんが)。

 しかし、今回のアニメを見ていると、ただ単に実在する馬を使ったキャラクターコンテンツとして売り出しているわけではないだろうと私は感じました。

 それぞれのウマ娘たちにも実在した馬の個性を出していましたし、極端な性描写もなく、特定のウマ娘を侮辱するような描写もありませんでした(スペシャルウィークをはじめとした体重増加=ボテ腹は……どう捉えられているんでしょう)。

 見ているファンだけでなく馬主の方々にもかわいい馬の一面を見せられる作り方をしているところから、公式側の配慮は私たちが思っている以上に注意しているのでは? と思います。

 また競馬界の有名人の細江純子さんや武豊選手がアニメに本人役として登場していたり、競馬雑誌でも特集が組まれることもあるなど、ウマ娘というコンテンツを許容している部分があるのも事実です。


 アニメのプロデューサーの伊藤氏のインタビューでは、アニメを見て「私の馬を出してほしい」と言う馬主もいたそうです。*1

 やはりアニメの放映前は「失礼じゃないか」と不安に感じているところもあったそうです。でも今回のアニメの好評によって、もしかしたら新たな名馬の許諾が降りてくるかもしれないですね!

人間には人格権があるけれど、馬にはそういった権利はあるの?

※先に述べますが、私は法律関係には全く詳しくありません。勉強した中で書かせていただきましたが、間違っていたらご指摘をお願いいたします。

 二次創作界隈でも度々上がることはあるのですが、こういった問題が発生すると法的問題にも直結することがあります。もし実在する人間が題材になったのであれば、本人が人格権や肖像権を行使して法的措置を取るということが可能になります。しかし今回の場合は「馬」。簡単に言えば「動物」です。現在では動物が自身の名誉などに関する権利を有するという法律は存在していません。

 本件とはずれる内容かもしれませんが、一応「動物の権利」に関する論議は昔からも行われているようです(これはどちらかというと動物虐待などの要素が大きいですが)。

動物の権利 - Wikipedia

 そのため、個人的には『ウマ娘』のキャラクターは上述した「ナマモノ」には該当しないものであると考えられます。もちろん「法律で問題無いんだったらやっていいだろう」ということはありません。これは当問題を拡大解釈し、法律的な問題に当たるが馬などをはじめとした動物はどこに当てはまるのか? という疑問だけでの話。モチーフとなった馬を所有する馬主は名誉毀損または侮辱として訴えることは出来るのではないかと思います。

オリジナルへのリスペクト心を忘れずに

 結果として、現段階では「エロはダメよ!」など明確に言われているわけではない以上、どれが良くてどれがダメなのかはあくまで馬主の方々などに委ねられているのが現状。なので、最終的にこの問題は「自分達がどう思って描くのか」に帰結するのかな……と私は思います。

 もとより、実在の人物や作品に対するコンテンツというのは、クリエイターが「私はこれが好きだから、こう表現したい」というリスペクトの心を持って作られるもの。

 伊藤氏をはじめとした『ウマ娘』の製作陣も、失礼じゃないかという不安を持ちながらも「競馬界に何かお返しができれば」という気持ちを込めて作ったからこそ、『ウマ娘』は好意的に受け入れられたのかもしれません。そういった意味では、今回のアニメ自体が二次創作をしたいファンの人たちへの良いお手本とも言えますね。

 今回の通達は、ファン活動の制限という否定的な目で見るよりも「馬や、育ててくれた馬主たちへのリスペクトを忘れないでね!」という意味で捉えるのが良いのではないでしょうか?

(Edit&Text/頭皮ぱっしょん )

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◆参照サイト

*1全13話完走、TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』 TOHO animation 伊藤隼之介プロデューサーが振り返る!


TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』公式サイト

©2018 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」製作委員会

タイトルおよび画像の著作権はすべて著作者に帰属します
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