エンタメに大切な要素は、何と言ってもキャラクター。しかし、キャラを作っただけでは、面白いストーリーは構築できません。
そんなとき創作者は、「もしも〇〇だったら?」と考えるものです。
今回は、「もしもシチュエーション」を効果的に使ったアニメ、『ぼくたちは勉強ができない』の魅力を振り返っていきます!
シチュエーションの変化で、飽きさせないストーリーを作る。
同じキャラ・同じ状況でストーリーを進めても、段々とマンネリになってくる……。かといって、次々と新キャラを出すのも大変……。
そんな時に便利なのは、「もしも○○だったら?」と考える、つまりキャラが置かれたシチュエーションを変えること
特に、日常系の連載漫画は状況変化が速いので、「もしも」を使いこなす妄想力は必須だと思われます(例えば『鬼滅の刃』などのバトルものは、一度状況を設定すれば、何週にもわたって戦いを続けることが可能です)。
言わずと知れた有名コンテンツ『涼宮ハルヒの憂鬱』でも、この「もしも○○だったら」が取り入れられています。主に短編で使われていますね。
ハルヒ率いるSOS団が「もしも映画を作ったら」「もしも野球をしたら」「もしも小説を書いたら」「もしもクローズドサークルに行ったら」と、これまで取り上げていなかった新たなシチュエーションを設定することで、常に新鮮なストーリーを構築しています。
「シチュエーションコメディ」と呼ばれる手法で、様々な状況下にキャラクターを放り込むことで、新鮮な面白さを生むことができるのです。
今季アニメで言うと、『なんでここに先生が!?』なども典型的なシチュエーションコメディ(エロス?)ですね。
『ぼく勉』に仕掛けられた「もしも」。
ひるがえって『ぼく勉』も、キャラを様々な状況下に置くことで、ラブコメとしての面白さを存分に発揮し続けています。
「もしも成幸がスマホデビューしたら」「もしも成幸が下着売り場の店員をしたら」「もしも文乃がダイエットをしたら」「もしも厳しい教師の自宅が汚部屋だったら」「もしも理珠が太郎さん(飲食店用語)と出会ったら」「もしも桐須先生がメイド喫茶で働いたら」
と、様々な「もしも」を用意して、視聴者を飽きさせない工夫がされているのです。個人的には「下着売り場」がツボでした。
クールの前半は物語やキャラの前提を魅せることがメインでしたが、後半になるにつけ、魅力的なシチュエーションコメディとしての面を押し出してきた印象です。
次に用意されるシチュエーションは何か、そしてヒロインたちの恋心の行方や如何にと、続きが気になるアニメ『ぼく勉』。ぜひ、このまま2期をやってほしいところです……!
(Edit&Text/ヒダマル)
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