第90回米アカデミー賞の結果が発表され、長編アニメーション映画賞、そして主題歌賞を『リメンバー・ミー』が受賞しました。
かつてこそ、なぜ公開日を先送りにしたんだ……という話でしたが、今になってみるとアカデミー賞受賞という最高の後ろ盾を得て間もなくの3月16日(金)公開ということで、蓋を開けてみれば興行的には万全の体制となっているのが、面白いところです。ここまで見越していたのなら、ディズニー恐るべしです。
さて、そんな『リメンバー・ミー』の公開よりもっと前に、同じように死者の日をテーマに、死者の世界を描いた鮮やかなアニメーション映画が存在していたことをご存知でしょうか。今日はそんな一作を紹介します。
アニメ映画『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』
2014年に海外で公開された3DCGアニメーション映画、それが『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』です。日本では劇場公開されず、翌2015年にディスクリリースされた作品です。
そんな境遇もあり、日本での知名度はあまりないのですが、この映画非常に良くできた映画であり、『リメンバー・ミー』にも通じる作品でもあります。
『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』のあらすじ
主人公は、闘牛士の家系に生まれながらも牛殺しなんてできない、音楽を愛する優しい青年マノロ。彼は、幼馴染でもある美女マリアのことを好いているものの、恋のライバルに、同じく幼馴染にして町の英雄のホアキンが居る三角関係状態です。そんな三人の様子を覗いていたのが神様たち。
神様はマノロとホアキンのどちらかがマリアの心を射止めるのか賭けをするのですが、ホアキンに賭けた神は毒蛇を放ちマノロを死者の国に送ってしまうのでした。果たして死者の国に送られたマノロの運命や如何に……!
『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』の魅力
さて、そんなマノロが送られてしまう死者の国というのが、本作の見どころのひとつ。『リメンバー・ミー』でも色鮮やかな死者の国が見どころのひとつとなっていますが、実はこの『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』も一風変わったデザインの死者の国が非常に魅力的なのです。ドクロマークをモチーフにした大小さまざまな色の建物が立ち並ぶ世界……それを一望するシーンはその絶景にため息が出てしまうほどです。
また、死者の国の住人をはじめとした登場キャラクターデザインも素敵。死者の国の住人がメキシカンスカルを模したデザインになっているところも面白いのですが、それ以前に登場キャラクター全員が木製の人形を基調としたデザインとなっていてとてもオシャレ。絶妙なディフォルメ加減をぜひ多くの人に見て欲しいです。
埋もれないで!『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』
そして、なぜ今ここまで『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』を推しているかといえば、理由は『リメンバー・ミー』がここまで支持を受けている中、『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』があまりスポットライトが当たってないのが悔しいから!
もしかして、あとあとTSUTAYAさんなどで『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』と『リメンバー・ミー』のディスクが並んでいたら、『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』を流行りに乗ったパクリ作品と思ってしまう人が居るんじゃないかと思うと、それはあまりにも不憫だと思うので、ぜひとも阻止したいところなのです(かといって、『リメンバー・ミー』がパクリとかそういう話ではない)。
そしてもう一点。実は本作も今年のアカデミー賞で注目を浴びたあの人が関わっている作品だからです。その人こそ、ギレルモ・デル・トロ監督。第90回アカデミー賞では『シェイプ・オブ・ウォーター』にて監督賞、そして作品賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督も本作のプロデューサーとして名を連ねている作品なのです。
ある意味、本作も『リメンバー・ミー』同様に今が旬の一作。今いちど、隠れた名作『ブック・オブ・ライフ~マノロの数奇な冒険~』にぜひとも注目してあげてください!
(Edit&Text/ネジムラ89)
ブック・オブ・ライフ ~マノロの数奇な冒険~| DHD、DVD | 20th Century Fox JP
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