『怪盗グルーのミニオン大脱走』が公開間もなく大ヒットです!
『ミニオン』関連作である前作『ミニオンズ』に比べ、公開3日間の興行収入対比で101.7%、興行収入60億越えを目指せる数字であることが、公式サイトでも伝えられています。
『ミニオン』関連作である前作『ミニオンズ』に比べ、公開3日間の興行収入対比で101.7%、興行収入60億越えを目指せる数字であることが、公式サイトでも伝えられています。
そんな『怪盗グルーのミニオン大脱走』の上映前には、とある映画の予告編が挿入されていたことを皆さんはご存知でしょうか?
その映画こそが、『ボス・ベイビー』。2018年春に公開予定となっている海外のアニメ映画です。
ミニオンの興行の行方も気になりますが、実はこの『ボス・ベイビー』の上陸は、日本市場の洋画アニメの環境を大きく変えるかもしれない作品だったりします。
世界市場で戦う3つの大きなアニメーション制作会社
今世界市場で戦う大きなアニメーション制作会社が3つあります。
まず1つがディズニーです。
現在進行形で世界市場で圧倒的な興行成績を収めているアニメーション制作会社です。
そして2つ目がイルミネーションエンターテインメント。
これがまさに『怪盗グルーのミニオン大脱走』を制作している、近年台頭してきている制作会社です。ミニオンだけでなく『ペット』、『SING/シング』などの新たなブランドもどんどん開拓しているうえ、ディズニーよりも作品の費用対収益は高いとも言われています。
そして3つ目。
これが『ボス・ベイビー』を制作している『ドリームワークス・アニメーション』です。
『シュレック』や『マダガスカル』、『カンフーパンダ』などを生み出したアニメ―ション制作会社です。アニギャラでも前回取り上げた、『トロールズ』もここの会社の作品です。
この3社の作品のうち、日本で唯一、劇場公開が遅れていたり不足しているのが3つ目の『ドリームワークス・アニメーション』です。
かつてはドリームワークス・アニメーション作品もしっかり日本で公開されていたのですが、近年の新作は劇場公開が果たされず、ビデオスルーが当たり前のようになっていました。
そんな状況がまさに今、『ボス・ベイビー』で変わるかもしれません!
ドリームワークスアニメーションに起きた変化
この予告編にも書かれている通り、本作はユニバーサル・スタジオとドリームワークス・アニメーションが手を組んだ、第一作目の長編アニメ映画となります。
これがどういうことかと言うと、ドリームワークス・アニメーションは近年経営があまりうまくいっておらず、2016年、NBCユニバーサルによって買収されたことが報道されました。
この買収が行われたことにより、ドリームワークス・アニメーションはユニバーサル・スタジオとの協力関係を得ることになります。
もとい、ドリームワークス・アニメーションがユニバーサル傘下に加わったわけです。そしてこのユニバーサル傘下にもともといたのがイルミネーションエンターテインメントです。
これにより、ユニバーサルという大枠の中にドリームワークス・アニメーションチームとイルミネーションチームが居るような構図になったと言えます。
ディズニーという大枠の中に『アナ雪』や『ベイマックス』を作るウォルトディズニーアニメーションスタジオのチームと、『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』を作るPIXARのチームが居るような感じ、と言えばピンと来る人も多いのではないでしょうか。
『ミニオン』のようなヒット映画となるか!?
注目すべきは今回ドリームワークス・アニメーションがユニバーサル傘下に入ったことにより、イルミネーション作品同様、配給が東宝東和さんになったことです。
東宝東和さんは、かつては無名だったミニオンを、今ではユニバーサルスタジオジャパンの一ゾーンにできるほどの人気キャラクターに押し上げた他、『ペット』や『SING/シング』といった新たなキャラクター作品もしっかり40億~50億円レベルのヒット作品に持ってきています。
かつてはドリームワークス・アニメーションも多数のヒット作を日本に送り出して来ましたが、『シュレック』や『マダガスカル』などのシリーズも、実は日本では10億~20億程度の市場規模しかありませんでした。
今回、イルミネーション作品の興行で得たノウハウが、ドリームワークス・アニメーション作品の興行でどう生かされるのか。そしてどれだけの結果を残せるのか、注目です。
そしてなにより、世界各国では公開されていながら、日本では劇場公開がされていないかった不遇な立場のドリームワークス・アニメーション作品が、ついに日本でも再び大スクリーンで楽しめる環境が整いそうだということに喜びを感じます。
『ボス・ベイビー』には是非、『ミニオン』のようなヒット作となって、これまで影に隠れてしまっていたドリームワークス・アニメーション作品を明るく照らしてくれる映画になってくれることを祈ります。
(Edit&Text/ネジムラ89)