アニメや漫画の中には読者が予想もしていなかった意外な最終回を迎えた作品があります。たとえば、パン職人を目指す少年たちの活躍を描いた『焼きたて!!ジャぱん』は、連載終了からだいぶ経っているのにSNSで最終話が話題にされることが多いです。また、アニメ・漫画には、読者が「神がかっている!」と叫びたくなるような伏線回収をした作品もあります。

◆ワケの分からない最終回を迎えた漫画

 衝撃的な最終回を迎えたことで、読者の心に残り続ける漫画があります。夢オチになった作品や、本編とは無関係なラストを迎えた作品など、その結末はさまざま。次の作品は、衝撃のラストを迎え読者をザワつかせた漫画です。

物語と関係ない「ダルシムのセリフ」で最終回!?──『焼きたて!!ジャぱん』

画像引用元:Amazon.co.jpより

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 ゲーム『ストリートファイター』のダルシムの「なんやて!?」というセリフで締めくくられた『焼きたて!!ジャぱん』。

 パン職人を目指す少年たちの活躍を描いたこの作品のラストシーンが、物語とは関係のないダルシムの変顔とセリフで幕を閉じたことから、衝撃的すぎると読者から注目を集めました。

 なぜ最終回にダルシムが登場したのかというと、その理由は物語終盤の数話前にまでさかのぼります。

 『焼きたて!!ジャぱん』は、終盤に近づくにつれてシュールなギャグシーンが増えていきました。そのようなギャグシーンの一環で、主人公の友人である河内恭介がダルシムに変身するエピソードがあります。

 その後、ダルシムになった河内は元の姿に戻れなくなり、パン職人になることをやめることに。代わりに、河内はストリートファイターの世界で戦っていくことを決め、最終回のラストシーンでリュウとケンと戦う姿を見せました。

 そのような本編の内容とは関係のない最終回を迎えたことで、『5ちゃんねる』などの掲示板やX(旧Twitter)などのSNSでは「最終回がヤバかった作品」として話題となっています。

 また、『焼きたて!!ジャぱん』とは関係のないキャラクターに思えるダルシムですが、作者の橋口たかしさんは、1993年に『コロコロコミック』で『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』という作品を掲載していた過去があります。

 そのため、『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』を読んだことのある人の中には、『焼きたて!!ジャぱん』のダルシムネタに懐かしさを覚えたかもしれません。

●今までの白熱のバトルはいったい?まさかの最終回──『シャーマンキング』

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 『シャーマンキング』は、お姫様姿のハオがでかでかと描かれた見開きイラストがラストシーンだったことで、多くの読者から「最終回が意味不明」といわれることが多いです。

 そのような終わり方になったのは、まん太とアンナの会話の流れが原因となっています。

 宿で休憩することになり、まん太とアンナはハオについて話し始めます。ハオのことを「執念という魔王にとらわれている」と言うアンナに、相槌を打つまん太。

 その夜、まん太はある夢を見ます。夢の中にはハオがいて、深い海の底で「おやすみ」と呟いていました。夢の中には葉も登場し、彼の元には仲間になった者たちが集まっていました。

 この流れから、次のラストページで両者の戦いシーンが描かれる……と思わせる内容でしたが、次のページには見開きいっぱいに写し出されたお姫様の服装をしたハオの姿と、「プリンセスハオ」という文字が描かれていました。

 ラストがこのような意味不明なコマだったことで、編集部がページを入れ間違えのではないかと混乱した人もいたようです。

 最終回「おやすみ」の扉絵で、“未完”の意味をかけた蜜柑を持っている葉の立ち絵からは、このような最終回を迎えた作者の無念が感じ取れます。

 『シャーマンキング』が掲載されていた『週刊少年ジャンプ』では、この回が最終回として掲載されましたが、その後発売された完全版コミックスでは物語の続きが加筆され、本当の最終回を迎えています。

詳しく読む⇒「作者の愚痴で終わる」、「謎のダルシムEND」……ワケの分からない最終回を迎えた4つの漫画 あのバトル漫画がまさかの……

◆神がかった“伏線の回収”を見せた漫画

 漫画の何気ないシーンが伏線となり、読者を驚かせることは少なくありません。次の作品は、「神がかった伏線回収」とファンの間で話題となりました。

●表紙の時点で「死亡フラグ」が立っていた?──『約束のネバーランド』

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 『約束のネバーランド』は、漫画の表紙にさまざまな伏線が隠されています。その一つが、漫画第1巻のカバー下のイラストです。

 第1巻のカバーの下には、うつむいている黒髪の少女が描かれていました。この少女の正体は幼い頃のイザベラで、カバーを外すことでイザベラもエマたちと同じ食用児だったことが分かります。

 そんな環境にいたイザベラが、GFハウスのママになったことから、食用児も成果によっては、生きて大人になれることが考察できます。

 また、カバー下に描かれているイザベラは暗い雰囲気をただよわせていますが、エマたちは明るく希望に満ちあふれた表情をしているのが特徴です。この構図も、エマたちがGFハウスの外の世界に出られるという暗喩だと考えられます。

 そして、『約束のネバーランド』のタイトルロゴには、どの子供が出荷されるのかが分かる伏線が隠されています。

 この漫画のタイトルロゴは、「バ」の文字あたりから三本線が伸びており、第1巻ではコニー、第4巻ではノーマンにその線が重なっていました。2人に「出荷されたキャラ」という共通点があることから、この線は出荷される食用児を示していたと考えられます。

●「エレンの母親を葬った」のはまさかの──『進撃の巨人』

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 『進撃の巨人』は、未来のエレンが過去に遡って、巨人が現れた日に干渉していました。

 その伏線が、第1話で父親のグリシャがエレンに「帰ったら……ずっと秘密にしていた地下室を……見せてやろう」と言ったシーンです。

 第1話の時点では、子供のエレンに向かって言っているように思えたシーンですが、第121話を見てみると、グリシャの視線は大人のエレンの目を捕らえて話しているように見えました。

 そのため、このセリフは大人になった未来のエレンに対して言っていたことが分かります。

 また、不慮の事故だと思われていたエレンの母親の死も、未来のエレンが介入した結果の一つでした。

 巨人が初めて現れた日に遡ったエレンは、自分の母親を食べたはずの巨人が、母親ではなくベルトルトを襲っている場面に遭遇します。

 ベルトルトをこの時点で殺すわけにはいかないエレンは、巨人を母親の元に向かうように仕向けたのでした。

 そして、漫画のタイトルとなっている“進撃の巨人”の意味。これは、第88話「進撃の巨人」で、エレンが身に宿している巨人の名前であることが明かされました。

 進撃の巨人は、かつて父親のグリシャが持っていた能力で、エレンがグリシャを食べたことで引き継がれました。

詳しく読む⇒神がかった“伏線の回収”を見せた4つの漫画 「最終回は第1話で決まっていた?」「表紙に隠された死亡フラグ」……

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

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