『ガンダム』シリーズに登場する強化人間は不幸な最期を迎えることが多いですが、近年では最終回まで生き残ることもあります。次の2人の強化人間も戦争を最期まで生き延びたキャラです。またセリフや行動の中には「明らかにこいつ死ぬな」といういわゆる死亡フラグを立てるキャラもいますが、次の2人は見事に死亡フラグをへし折りました。

◆まさかの生存ルート確定!「死亡フラグをへし折った」強化人間

  『ガンダム』シリーズでは、強化人間は死亡したり、重度の後遺症を背負ったりするなど幸せにはなれないというジンクスがあります。

 たとえば、『機動戦士Ζガンダム』のフォウ・ムラサメや、『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』のマリーダ・クルスなどがそれにあたりますが、最近の『ガンダム』シリーズでは、強化人間のジンクスを破り、作中で救われたキャラクターもいます。

●当初は死亡する予定だったけど……──『ガンダム00』よりルイス・ハレヴィ

画像引用元:Amazon.co.jpより

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 ルイスは復讐に取り憑かれ、心身ボロボロになっていくことから『機動戦士ガンダム00[ダブルオー』放送当時、常に死亡フラグが立っていました。そんな彼女ですが、無事に生存した強化人間の一人です。

 ルイスは物語の序盤では民間人でしたが、『ガンダム002ndシーズンから復讐のためにアロウズに入隊し強化人間となります。

 ルイスに施された強化は、「ナノマシン」を投与し老化を抑え、イノベイドに近い存在にするというもので、作中でも脳量子波を心身ともに大きな負担をかけるものでした。

 その代償は大きく、アニメの続編にあたる『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』では、アロウズ時代のことがフラッシュバックして苦しむような描写が見られます。

 しかし、さまざまなものを失ったかと思われたルイスにも、恋人の沙慈の存在があり続けたことは大きいでしょう。

 沙慈は、ルイスが強化人間となってしまっても懸命に救おうとし、彼女が療養生活を送る中、ずっとそばにいました。

 当初、ルイスは沙慈をかばって死亡する予定でしたが、それだと美談になってしまうため罪を償わせる形にしたと、『ガンダム00』の監督を務めた水島精二監督は、『アニメージュ』20095月号のインタビューで語っています。

 このようなことからも、ルイスは救いのある結末を迎えられたといえるでしょう。

 ほかにも『ガンダム00』にはアレルヤやマリーなど、救われたといえる強化人間がほかのシリーズに比べ多く登場しています。

●主人公に叱責され生きる道を選ぶ──『ガンダムX』よりカリス・ノーティラス

©SOTSU・SUNRISE

<画像引用元:http://www.gundam-x.net/story2.htmlより ©SOTSU・SUNRISE>

 大人の身勝手な都合で戦わされていたカリスは、これまでの強化人間のように悲劇的な結末を迎えると思われましたが、主人公のガロードに救われるような形で生存します。

 カリスは「人工ニュータイプ」と呼ばれる強化人間で、理想のため自ら望んで強化されました。

 最初はガロードと敵対していますが、自分は市長の復讐の道具にされているにすぎないということに気づいてからは自分の在り方に少しずつ疑問を覚えるようになります。

 彼は、ガロードと一騎打ちをしましたが、人工ニュータイプでありながらガロードに敗北してしまったことや、そもそも死ぬつもりで挑んだ戦いであったため、ガロードにわざと撃たれて死のうとします。

 しかしガロードから「生きろ」と叱責され生存します。そこからは、ガロードたちと共闘することもありました。

 カリスは人工ニュータイプの弊害である「シナップス・シンドローム」という発作が月に1回起こる体質で、そのたびに激痛に苦しめられています。作中ではカリスは死ぬまでこの後遺症と付き合うことが示唆されています。

 しかしカリス自身はそれを「自身の背負った十字架」として受け入れており、あくまで前を向いて生きようとしています。

 『機動新世紀ガンダムX』以前の『ガンダム』シリーズの強化人間は、命を落としてしまったり重大な後遺症を負ってしまったり、悲劇的な結末を迎えることがほとんどでしたが、カリスはシリーズで初めて生きのびた強化人間でした。

詳しく読む⇒『ガンダム』まさかの生存ルート確定!「死亡フラグをへし折った」3人の強化人間

◆「こいつ死ぬな」って思ったけど……『ガンダム』死亡フラグを回避した猛者

 『ガンダム』シリーズは、戦死するキャラクターが多いシリーズですが、近年の作品では死亡フラグを立てながらも生存するしぶといキャラクターが多く登場しています。次の3人は、死亡フラグをへし折り終戦まで生きのびた強者です。

●ジョゼフ・ヨット──メタ発言が生存フラグだった?

 『∀ガンダム』の第1話から登場しているジョゼフ・ヨットは、第48話で主人公のロランと押し問答の末、ガンダムで無理矢理出撃します。しかもガンダムは正規のコクピットであるコアファイターを外し、仮設で別のモビルスーツのコクピットが取りつけられた万全でない状態です。

 去り際には恋人のフランが妊娠していることを明かし、「せめてキスぐらいしていきなさいよ」という批難を背中に浴びるなど、この時点で嫌な予感がビンビンします。

 戦場ではラスボスであるギンガナムが乗るターンXを相手取り、「やったぜ!フラン!」と勝ち誇るなど完全な死亡フラグを立たせます。

 ここでダメ押しとばかりにギンガナムから、「戦場で、恋人や女房の名前を呼ぶときというのはな、瀕死の兵隊が甘ったれて言うセリフなんだよ!」と死刑宣告にも似たメタ発言が飛び出し、サイコミュ攻撃で彼は窮地に陥りました。

ジョゼフ危うしというタイミングですが、救援が間に合い戦線から彼は離脱しています。

 ギンガナムのメタ発言は視聴者がジョゼフを案ずる気持ちを代弁することで、死亡フラグを死亡とは別の形で回収したもので、生存フラグだったのかもしれません。

 また、最終話で描かれた戦後の場面で、ジョゼフは子守をしながら働いており、終戦まで生きていることが確認できました。

●パトリック・コーラサワー──愛の力で死亡フラグをたたき折る!

 『ガンダム』シリーズで死亡フラグ回避といえば「不死身のコーラサワー」こと『機動戦士ガンダム00』のパトリック・コーラサワーを忘れてはいけません。

 彼は第1話で、全世界が注目する中、刹那の駆るガンダムエクシアに一方的に撃墜されたため、いわばかませ犬でした。

 その後カティ・マネキンと修正も含めたコミュニケーションを重ねて親睦を深めます。何度となく出撃して撃墜されますが、彼女と帯同しつつ最終局面までガンダムマイスターたちの前に立ちはだかります。

 最終局面の2期第23話で、カティの乗艦する艦の盾になり、あろうことかカティに告白しながら撃墜されますが、幾度も死亡フラグを折ってきた彼は、当たり前のように生存しエピローグでカティと結婚します。

 後日談の劇場版においても、戦闘中に「幸せ過ぎて不死身じゃなくなったみたいです」とカティに告げながら、敵を道連れに自爆を試みるも、直前で救援に来た刹那に救助され生還しました。

 コーラサワーは作中でもコメディリリーフの役回りが多く、何となく生き延びてくやしがっているイメージの強いキャラクターです。しかし、そんな彼が生き延びた背景には、彼の卓越した操縦技術があります。

 まだ誰もガンダムとの戦闘をしたことがなかった、第1話のエクシア戦においてもその技術の高さが垣間見えるのです。

 僚機のモビルスーツは初手で撃墜されているのに対し、コーラサワーだけはしのいでいます。加えてガンダムの装甲に傷をつけられなかったもののコーラサワーの射撃を受けてエクシアは火花を上げていますし、GNソードで乗機を両断される際も、シールドと右腕で防いだ上にコクピットが斬られないように身をかわしています。

 セリフの情けなさにイメージをひっぱられますが、決して腕の悪いパイロットではなく、どんなに追いつめられても絶対にあきらめない不屈の戦士なのです。

詳しく読む⇒「こいつ死ぬな」って思ったけど……『ガンダム』死亡フラグを回避した3人の猛者

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

※サムネイル画像:http://www.turn-a-gundam.net/story/48.htmlより

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