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 キャバクラだけではなくガールズバーやコンカフェ、スナックなど、さまざまな夜のお店で働き始めたものの「思うように指名が取れない……」ということや、初めは指名が取れていたとしても継続した指名につながらない……という悩みを抱えている人がいるのではないでしょうか?

 初心者はもちろん業種違いの場所で新たに働くとこれまでの経験が使えることもありますが、まったく通用せずに数ヵ月が経っても本指名がもらえない……ということもあります。

  お店のスタイルやお客さんの性格などによってはハマらないこともあるため、ある程度の指名が取れるようになるまでこちらが合わせることを意識しなければ、本指名へとつなげることが難しくなってしまうのです。

  どのようなことを意識してお客さんにアピールすることで、継続した本指名をもらえるようになるのでしょうか? 夜職を約10年続けていた筆者が実際に使って指名につながった方法を、4つのアニメ作品の女の子の振る舞いを参考にしつつご紹介します。

◆お店の雰囲気やイメージに自分のスタイルを合わせる

 夜のお店は自分らしさを大切にして自由に働けることで、軽い気持ちで働き始める人も多いのではないでしょうか。ですが、お仕事ですので当然何でも自由にできるわけではないのです。

 キャバクラで働く際はドレスが必要になりますが、ガールズバーやスナックなどは自分の好きな服装で働けてノルマがないお店が多いもの。そのため、お店の雰囲気やコンセプトなどを気にすることなく、自分の好きなスタイルで働いてしまう人もいます。

 ですが、お客さんから継続した指名をもらうためには、お店に来るお客さんに気に入られることが何よりも大切になるため、自分の個性や好きなことよりもお店の雰囲気やイメージを守らなければいけないのです。

 アニメ『彼女、お借りします』に登場する水原千鶴はレンタル彼女をお仕事にしていたことで、お客さんの好みの格好や気分に合わせて自分の振る舞いまでも変えていました。

 たとえば、お客さんが大人なデートを求めていれば大人な見た目と振る舞いで彼女になり、反対に学生のように騒ぎたいことが求められていれば、少し幼さが残る見た目と振る舞いに変えていた千鶴。

 こうしてお客さんにどのようなことが求められているのかを理解して、きちんと彼女になりきるところは夜職で働く人が見習わなければいけない部分となります。

 人との関わりは内面や波長が合うかで長い付き合いになるのかが決まるものではありますが「この女の子と仲良くなりたい!」「この子を本指名したい!」などとお客さんが思う部分は、第一印象となる外見でほとんどが決まってしまうのです。

 筆者がキャバクラで働いていたとき、お店の雰囲気やイメージとはまったくの正反対になる女の子が入店してきました。その女の子はとても派手な格好を好んで個性が強かったことで「絶対に自分を変えたくない!」と言い、自分らしさを大切にして働いていたのです。

 ですが、そのときお店のイメージを『アイドルのような女の子がいるお店』へと変えている最中だったため、本指名が取れないことに合わせて少し変わったお客さんに好かれていました。

 そうした状況からきっと本心では嫌だったと思いますが、他の女の子と同じようなスタイルに変えることでお客さんに気に入られ、少しずつ本指名が取れるようになったのです。

 筆者もキャバクラで働いていた頃と違って今は派手な赤髪とピアスがたくさんな見た目をしていますが、こうした普通ではない見た目をしているとどうしてもお客さんからは距離を取られてしまうもの。

 そのため、本指名が取りたいだけではなくお店選びであったり、プライベートで誰かと関係を築くときにも千鶴の相手に合わせるという部分は覚えておきたいところです。

◆お菓子などちょっとしたモノをあげる

  継続した指名をもらうためには初対面のときからお客さんに寄り添うことを意識したり、ペースを合わせた会話が重要になってくるもの。

  指名がほしいと思っているのはお店にいるどの女の子も同じであり、強い気持ちを抱いてお客さんとの場を頑張って盛り上げようとします。

 ですが、お客さんの中には静かにゆっくりと話をしたい人もいるため、盛り上げることだけを意識しているとお客さんの性格によっては「合わないなあ……」と、苦手に思われてしまう可能性も少なくありません。

  そのため、指名をもらうためには他のキャストの女の子と同じことではなく、違うことをしてお客さんに強い印象を与えることが何よりも大切になるのです。

 特に初めて来店したお客さんはお店のことや女の子のことを何も知らない状態なので、フリーで何度も来店しているお客さんよりは指名が取りやすいでしょう。

  そうしたお客さんには印象を与えるために話だけではなく、ちょっとしたお菓子などをあげることもよいでしょう。

 バレンタインやクリスマスなどのイベントのときは、フリーのお客さんにお菓子を配っている女の子は多いため、それほど強い印象をを与えられないかもしれません。ですが、何もない普通の日だからこそ覚えてもらいやすいのです。

  アニメ『君に届け』の黒沼爽子は仲良くなった周囲の友達にお礼として、ジュースや手作りのお菓子などを配っていました。初対面で爽子のように手作りのものは少し驚かれてしまいますが、普段からバッグにコンビニのちょっとしたお菓子を持っていることで印象を与えやすく思い出してもらいやすくなるのです。

  筆者も現役時代には待機中に仲良しの女の子とちょっとしたお菓子タイムをしていたこともあり、バッグいっぱいにコンビニのお菓子を詰め込んでいました。

 そのため、どの席についても女の子たちから「あのお菓子持ってない?」「お菓子出してー!」と言われることが多く、どのお客さんからも「いつもお菓子を持ち歩いている子」として覚えられていたのです。

  また、バレンタインやハロウィン、クリスマスであったり、周年などのイベントのときにはお客さんだけではなく女の子にも配るため、お菓子のプチギフト的なものをたくさん用意していました。

 よって普段と比べてイベントのときには本指名が取りやすく、先輩のお客さんにも指名をいただいていたりしたため、席でお菓子を配ることで顔を覚えてもらうきっかけとなっていたのです。

◆受け身ばかりではなくバランスが必要

 お客さんから継続して指名をもらうためにはいい子ちゃんや受け身ばかりではなく、時には強く主張をすることも大切です。

  少し前まではキャバクラで働く女の子といえば押しの強い子やギャル系の子が多い傾向にありましたが、最近では見た目も性格もおとなしい普通の子が求められるようになりました。

 そのため、自分から強く指名を求めることはせず、一度でも断られてしまうとお客さんの言葉を素直に受け入れて諦めてしまう子が多いです。

  ですが、指名をもらうためには素直にお客さんの言葉を受け入れるだけではなく、時に強く自分の気持ちを伝えることも指名につなげるためには必要といえます。

  アニメ『薄桜鬼』の雪村千鶴は少し控えめな性格をしているものの、強い意識を心の中に抱いています。ゆえに相手の想いを無視したり自分の想いばかりを押し付けるようなことはなく、どんなときも相手の想いを大切にして寄り添ってくれる優しさを持っていました。

 こうした優しい千鶴ですが、必要なときには強い気持ちで相手と心から向き合ったり、相手を一番に考えながらその場に応じた振る舞いをする姿は、指名を獲得するために必要となる部分でしょう。

  筆者も現役時代には受け身ばかりではなく、指名獲得のタイミングでは千鶴のようにバランスを取りながら時に強くアピールしていました。

 お客さんがフリー来店だとある程度の時間で交代を言われてしまいますが、このときにすぐ席を離れてしまうより「呼ばれちゃったんだけど、いてもいいー?」「もうちょっとこの席にいたいな」などと、かわいくお願いすることで場内指名をもらっていたのです。

  初回の場合はお客さんがキャバクラ自体初めてであったり、指名制を知らない場合があるため、チャンスを掴むためにもまずはお客さんに声をかけることを忘れないようにしましょう。

 チェンジの際にすぐに席を離れてしまうともらえたはずの指名を逃してしまうことがあり、実際に筆者も何度かチャンスを逃してしまったことがありました。

  ですが、指名がほしいあまり強引すぎる発言で困らせてしまったり、お客さんの性格によっては嫌われてしまう可能性があるため、会話の中で指名をおねだりしても大丈夫な相手かどうかをしっかりと見極めることも重要になります。

◆話すよりも聞き上手になることを意識

 キャバクラに来てくれるお客さんは、普段あまり関わりがない女の子の話を聞きたい人が多いもの。ですが、お客さんの中には「女の子に話を聞いてほしい」という人もいるため、会話の早い段階でお客さんが何を求めているのかを気づくことが重要になります。

 この部分にすれ違いが起こってしまうとお互いに楽しめず、女の子ばかりが話してしまってお客さんに我慢させてしまうことも少なくありません。

 お酒が入っていることで自分が話したいことばかりを意識してしまうため、お客さんが何を求めているのか様子をうかがったり質問をしてあげなければ、当然気に入ってもらえずに指名につなげることも難しくなってしまうでしょう。

 アニメ『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』の椎名真昼は、学校では真面目で優等生キャラを振る舞っていたこともあり『天使様』と呼ばれていました。

 そんな呼び名の通り真昼は、周りの期待に答えるかのように特に自分から何か主張することがなく、話題を振るよりも相手に寄り添った聞き役になることが多いのです。

 どんなこともイエスマンのように受け入れることが正しいわけではないものの、真昼のこうした聞き上手の姿勢はお客さんとの距離が縮められていないときに使える方法になります。

 筆者も数年前にキャバクラで働いていたときには、自分から話すよりも真昼のように徹底して聞くことを意識していた時期がありました。

 元々話すことが好きでお酒を飲むとマシンガントークになっていたのですが、本指名が減ってしまったことで「これまでの振る舞いを少し変えてみよう!」と、聞き役を意識したことで本指名につながったことがあったのです。

 キャバクラに来てくれるお客さんの中には明るくおしゃべりな人もいれば、反対に話すことが得意ではない無口なお客さんがいるもの。そうしたお客さんは自分から話を振ったり自分の気持ちを伝えるタイミングが掴めずに話せなかったりすることも多く、うまく会話が続かずに途切れてしまうことも少なくありません。

 こうした場合に女の子がマシンガントークで話してしまうとさらにタイミングが掴めず、うまくコミュニケーションが取れない原因につながってしまうもの。そのため、どのようなタイプのお客さんであっても話しやすいようにマシンガントークには注意し、お客さんが話しやすいような雰囲気作りや当たり障りのない質問を振ってあげたりしましょう。

 お客さんとの話が楽しくなると女の子も素が出てしまうものですが、どんなときもお客さんに対して気遣いを忘れないことです。

 外では天使様を演じている真昼のようにお客さんのタイプを把握して、話のペースを合わせてあげたり違った価値観や考え方も受け入れることを少し意識したりすることで、指名につなげられるでしょう。

 

 ──お客さんに気遣いや優しさを与えたからと言って、必ずしも本指名がもらえるとは限らないのです。自分ではお客さんと良い関係が築けていると思っていても、なかなか思うように指名につながらなかったり指名が切れてしまったりすることも当然あります。そうした場合に「早く指名をもらわないと!」などといって焦ってしまうと空回りして、お客さんにもネガティブな気持ちが伝わってしまうもの。

 特にお客さんは疑似恋愛を楽しみにキャバクラに来ているため、指名を目当てに仲良くしているという気持ちが伝わってしまうと距離が縮められず、指名をもらうことなく時間だけが過ぎてしまう……ということも少なくありません。

 もちろんキャバクラで働く以上お客さんから指名をもらうことは大切。ですが、指名をもらう前に大切なことがあることをしっかりと頭に入れて、お客さんと素敵な関係を築けるように今回紹介した4つのポイントをぜひ試してみてください。

〈文/柳瀬蓮 @_prince0807_ 編集/水野ウバ高輝〉

アニメで学ぶ恋愛術

《柳瀬蓮》

元キャバ嬢ライター。約10年の夜職経験を生かし、恋愛コラムやエッセイをさまざまなメディアで執筆中。スピリチュアルにも精通しており、占い系Webメディアにも記事を寄稿している。赤髪やピアスで派手な見た目をしているものの、中身はふわふわしている人。『アニギャラ☆REW』では、長年の夜職経験をもとに「アニメで学ぶ恋愛術」を連載中。

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