'16年も残すところ、わずかです。
映画好きなもので、この時期には決まって「こんな映画があったなぁ」と一年を思い起こすわけですが、今年を振り返ると、『君の名は。』に『シン・ゴジラ』、『この世界の片隅に』など、すっかり下半期の傑作映画達のインパクトが強すぎて、ちょっと上半期の映画たちのインパクトが薄れてきていますよね。
そんな薄れがちな作品のひとつ、『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』をピックアップしたいのです!
ゴールデンウィークに好成績を収めた大ヒット作品なのは間違いないのですが、すっかり後続の公開作品に興行収入も抜かれていってしまい、今では「あれ? 今年だっけ?」ぐらいの感覚の人も居ることでしょう。
ディスクリリースもされたし、いいかげんネタバレ全開!!
「純黒の悪夢のここサイコー!!」
というところを紹介させてください。
最高興行収入!『名探偵コナン 純黒の悪夢』
まずは抑えておきたい劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢』の基本情報。
劇場版『名探偵コナン』の記念すべき20作目のアニバーサリー作品として登場した本作は、劇場版シリーズでも初となる、宿敵黒の組織やFBIや公安、CIAなどが物語に入り乱れて展開されています。
これまでも、各組織がそれぞれちょいちょい出たり出なかったりという状態でしたが、一堂に集結するのは今回が初!
そんな物語のスケールもあってか、本作は初週末全国映画動員数ランキングで初登場1位を獲得。
初週末興行収入は12億915万という過去最高の初日興行収入を記録を打ち立てました。その後も勢いは留まることを知らず、興行収入は50億の大台どころか、60億円まで突破。最終的に過去最高興行収入作品となっていた『業火の向日葵』の44億を大幅に超える、62.1億円(東宝発表)という“ぶっちぎり”の興行収入記録を樹立しました。圧倒的です!!
スケールも数字もすごいのですが、その内容も壮大!!
ここでは、具体的にこの映画がどうすごいかが分かるポイントを3つピックアップし、ご紹介していきます。
これまで、劇場版『名探偵コナン』シリーズでも、コナンくんが飛行船から放り投げられたり、ダムを決壊させてしまい村を雪崩で壊滅させたり、山場のひとつが発声で助けを呼ぶシーンになっているなど、度肝を抜く展開がさまざま用意されてきました。
ですが、『純黒の悪夢』にはそれにも負けない衝撃のシーンがてんこ盛りです。
今、例に挙げたシーンなんかは笑い話にもなりそうな出来事ではありますが、本作はもう吹っ切っているというべきか、コナンのフィクションラインだからこそ成せたとも言うべきブチ上がりシーンが盛り沢山です。
ネタバレにはなりますが、映像で観てこその場面とも思いますので、まだ観ていない人も、これを読んだらチェックしたくなるはずです!
観覧車の上で格闘を始めるFBIと公安!
本作の売りとも言えるシーンのひとつがこれ!
『名探偵コナン』の準レギュラーキャラクター、FBIの赤井秀一と、公安警察・安室透。本映画では、宿敵同士の2人が直接激突します。
因縁のある二人がついに相まみえる……そんな対決の舞台が、なぜか“観覧車の鉄骨の上”となっているのです!
映画を観ていれば事情は分かるのですが……って全然理解できないのがコナン映画のポイント! 観てるこっちとしては「いくらなんでもそんなところで戦わないでも……」と思わざるを得ません。
ですが彼らは軽やかに、観覧車のテッペンで殴る蹴るの猛攻をやってのけます。そうです、いいんです。コナンのフィクションラインだからこそ、この場面は輝くのです。
というか、コナンじゃないとこんな展開成立しません。コナン映画だからこそ成立するこの展開、考えついた人は天才なんじゃないかと思いました。
しかし、この映画にはさらにそれを凌駕する仰天のシーンが待っていました!
ジン兄貴の画期的すぎるキュラソー捕獲大作戦!
名探偵コナンシリーズの最大の宿敵ともいえる“黒の組織”は、やはりひと味ちがった!!
FBIと公安のコンビ芸で仰天の格闘シーンを見せてくれましたが、それの遥か上のレベルのアイデアで見せ場を作ってきます。
ある理由で、黒の組織は観覧車に乗っている最中のキュラソーという人物を捕まえなければいけない展開になるのですが、黒の組織がそれを成し遂げるためにとった策がすごい!
ちょうどキュラソーが乗っている観覧車のゴンドラが最上部に達するのを見計らって、黒の組織は遊園地(正確には水族館の併設施設なんだけど)の電源を落とします。急に真っ暗になった園内。これで姿を見せずにキュラソーを捕らえらるという魂胆です。ここまではまだ良いのです。ですがそっからの奇策がすごい。
オスプレイに乗った宿敵ジンと黒の組織の一味は、そのオスプレイで観覧車のゴンドラごと掴み出します。まさかゴンドラごと持っていくの!? と黒の組織の斜め上をいったアイディアにビックリです。
しかし残念ながらここでキュラソーは裏切ってしまい、黒の組織はキュラソー捕獲作戦を断念します。ぜひ掴んだあとどうするのかを見たかったのですが、そこはさすが黒の組織、お客様へのサービス精神を忘れません。
裏切り者のキュラソーを抹殺すべく、オスプレイから観覧車を銃撃! ゴンドラどころか観覧車自体を半壊どころか全壊にしようとします。いくら真っ暗だからってやりすぎです。っていうか、せっかく気づかれないように真っ暗にしたのに、ここまでやったらいくらなんでも見つかります!
しかし、コナンには独自のフィクションラインがあるので大丈夫! 黒の組織は時間いっぱいまで、観覧車内を動き回るキュラソーや、赤井秀一や安室、コナンを狙い、シューティングゲームを満喫してから帰っていきます。一見無茶苦茶ですが、黒の組織的にはここまでの行動は全然セーフゾーンなのです。
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観覧車の大事故を止めるシーン!・・・ではなく
そして、黒の組織によって破壊された観覧車は思わぬ大事故を招くことになり、コナンと愉快な仲間たちでそれを阻止しようと頑張ります。それがもう一つの見せ場……でもあるのですが、今回タイトルにも3つの見せ場としたものの、あえて3つ挙げるとするならやっぱり挙げておきたい見どころとして、“阿笠博士”を忘れてはいけません。
これまでの映画ではただの保護者役だったり、キッズたちのためのダジャレなぞなぞコーナー担当のジジイぐらいでしかなかったのですが、今回は見せ場が用意されています。今回の阿笠博士は、とある大失態をしてしまうのです。
もうね、このシーンがサイコー!
いつもは博士の天然っぷりに半ば呆れ気味のコナンくんも、この時ばかりは「なにやってんだ」と“マジギレ”!果たして、博士がなにをしてしまったのか……はさすがにこれはネタバレしてはいけないと思うので、是非本編でお確かめ下さい。果たしてなぜ博士はコナンにブチキレられるのでしょうか? お楽しみに!
――そんな感じで見どころ盛りだくさんの『名探偵コナン純黒の悪夢』。家族や友達と一緒に楽しむのには、かなり最適な一品だと思いますので、年末年始のDVD鑑賞会にオススメさせていただきます。
映画の当たり年とも言える’16年に相応しい劇場版コナンとなっているので、要必見の映画です!! まだ観ていない人はぜひご覧になってみてくださいね。
(Edit&Text/ネジムラ89)
名探偵コナン - 読売テレビ
©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
名探偵コナン公式サイト(アンドロイド対応)
©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996 ©CYBIRD
「名探偵コナン」原作公式サイト
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