劇場版『ごちうさ』の味付けとは
『ごちうさ』を観ての素朴な疑問として、
・なんで女の子しか登場しないんだろう?
・なんで可愛い子しかいないんだろう?
・この子達なんでこんな純粋なんだろう?
なんて意地悪なことを思ってしまうのですが、意外なのが、これだけ可愛く純粋な女の子が揃っているのになんで、あんまり身体を強調するようなシーンを挟まないんだろう? という逆にそっちの意外さの方が気になってしまいました。
正直、映画のポスターを観た時、『この女の子たちのいやらしい描写をたっぷりカメラに収めたような作品なんじゃないかな』という勝手なイメージを抱いておりました(悪意のあるイメージ)。
ですが、実際は全然私の抱いていたイメージとは違いました。
ひったすら素朴な日常シーンと共に、特別に画期的でもないギャグがやんわり挟まれて、それに対して誰かが全く鋭くないツッコミを入れるという異空間なのです。
・・・ただ、その映像が圧倒的に“可愛い”のです。
この映画はどこをどう切っても“可愛い”に包まれていて、“可愛い”だけの一点張りでポルノ描写と成り得ることを証明するような映画だったのです。
・仕草が可愛い、
・言い方が可愛い、
・努力の仕方が可愛い、
・本音が可愛い、
・抱いている夢が可愛い
この“可愛い”の表現のつるべ打ちに、なんともいえない困惑を抱えながら劇場を後にしました。
すごく楽しかったわけでも、ファンになったわけでもないのですが、そこには確かに“可愛い”が何度となく存在していました。その“可愛い”の硬球をひたすら頭にぶつけられるような異様な感覚が得られたという意味で、
『ごちうさ』すげぇな・・・。
という感想が漏れるような体験がそこにはあったのです。そういった意味で『ごちうさ』は本当にすごい映画でした。
――残念ながら私にとっての「大好き」につながる映画ではなかったのですが、普段味わうことのない感情を体験できたと思うと観て良かったなぁ、とも思える映画でした。
ココアちゃんやチノちゃんがどんな子なのか。そういった部分をもっと知っていけば、本作の見え方ももっと深くなっていくのでしょう。機会があればTVシリーズも追って観てみようかな、と思っています。
もしかしたら後々、良い思い出としてこの『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』を思い出す日が来るかもしれません。
そう、うさぎ肉のように。
(Edit&Text/ネジムラ89)
「ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~」公式サイト
©Koi・芳文社/ご注文は製作委員会ですか??