※本記事では切り分けとして、『けものフレンズ』の主人公を「かばんちゃん」、『2』で登場した人物を「かばんさん」と表記いたします。
『けものフレンズ2』の第5話「ひとのちから」ラストでは、ついに前作主人公だった「かばんちゃん」と思われる「かばんさん」が登場しましたね。
作中にて前作の記憶をほとんど有していないとされるサーバルちゃんは、かばんさんと出会った際になにか思いあたりがあるような描写がありました。
また第6話「あたらしいあさ」ラストでカラカルが「以前サーバルちゃんが一緒に旅をしたヒトがかばんさん」であることに勘付き、その件について話をしたところ「そうかもね……。(中略)あの子をよろしくね」とカラカルへ答えたことから、前作主人公=かばんさんで間違いないのではないかと思われます。ただそれだけでは、気になるところが多いのも事実!
そこで本記事では、本当にあの時登場したかばんさんは前作主人公と同一人物なのか? という疑問について考察していきたいと思います。
サーバルちゃんとかばんさんに関するいくつかの疑問
筆者がサーバルちゃんとかばんさんとの間柄について気になったことが2つあります。
1つ目は、当然ですが、なぜサーバルちゃんは「かばんちゃん」についての記憶が曖昧なのかということ。作中では「謎のフレンズと旅をしたことがある」というだけで、具体的に誰と、どのような旅をしたかについては全く覚えていないように見受けられますよね。また、もし覚えているようであれば、少なからず他のフレンズたちと比べて「ヒトと呼ばれるフレンズ」について、ある程度知識を持っていてもおかしくないと思います。
これについては正直「かばんちゃんの存在を忘れた」というより、前作の記憶をそもそも有していないという可能性が高いのではと考えられます。となると、じゃあなぜ「かばんさん」と出会った時に心当たりがあるような描写があったのか……という疑問に戻ってくるわけなのですが。
2つ目は、なぜかばんさんはサーバルちゃんとの間柄について本人に話をしなかったのか。前作での3人(かばんちゃん、サーバルちゃん、ラッキービースト)の旅の思い出をもしかばんさんが覚えているのであれば、懐かしみを感じたり、再度会えたことを嬉しんだりするのがだいたいの反応なのではないか……? と思います。しかしかばんさんは、あえてそのことについては言及をしないような素振りを見せていました。
かばんさんが前作の記憶を有した同一人物であると仮定するならば、今回の素振りについては、
・サーバルちゃんが新たなフレンズたちと楽しく旅をしていることを考慮してあえて触れなかった
・なにか思い出させるとサーバルちゃん(ひいてはジャパリパーク全体)に悪影響を及ぼす可能性がある
といった理由があるのではないか……と予想されます。
前者については、かばんさんが気を使って今のサーバルちゃんが楽しんでいる世界に介入しないようにした、単純にかばんさんの思いやりとも受け取れます。
後者については、後述する世界設定での疑問にも関わってくる話なのですが、前作の記憶をサーバルちゃんが思い出すことによって、本人ないしジャパリパーク全体に問題が発生することを懸念した、という考えです。そうなると、前作で旅をした後に何かサーバルちゃんないしジャパリパークに良くない現象が起こっていたということになるのですが、それがなにかは分からないです(泣)。
もしかしたら、一緒にいるアフリカオオコノハズクとワシミミズクと、サンドスターやセルリウムのほか「ビースト」と呼ばれる存在について研究していることが実は関連しているのではないか……とも考えられます。
作中の世界設定についても疑問が残る
かばんさんがもし前作の主人公と同一人物であると仮定すると、今サーバルちゃんたちが旅をしている世界についてもいくつか疑問が浮かんできます。
特に筆者が気になっているのは、
・かばんさんと「はかせ」を知らないフレンズが多い
・なぜ前作に登場したフレンズはサーバルちゃんについて触れないのか
という2点です。
◆1つ目の疑問について
前作ではアフリカオオコノハズクは、ジャパリパークでは「はかせ」と呼ばれており、なにか分からないことがあれば彼女を尋ねると良い、という集合知的なものがありました。
フレンズ全員が知っているわけではないとは思いますが、アルパカ・スリがカフェを開く時も「紅茶」という存在をはかせから教えてもらったり、アメリカビーバーが木材を集める対価として3ヶ月分のジャパリまんを要求していたことを考慮すると、ジャパリパークの中では一際「はかせ」の存在は大きく影響していたと考えられます。
しかし本作では「はかせ」について言及するフレンズはほとんどいないです。
もし最初から知っているフレンズがいたのであれば、キュルルの謎についても「はかせのところに行ってみては」という回答が大半を占めると思われます。
同様に「かばんさん」についても知っているフレンズが少ないように見受けられます。
現在かばんさんが拠点としている研究所の設備の文明レベル(エレベーターのような機械が動作している、激辛キノコ鍋を振る舞った際に鍋の下に簡易電子コンロが置いてある)を見ると、かばんさんは「はかせ」たち以上の知識や素養を持っていると見て間違いないと思います。
もし前作の「はかせ」に相当する存在がいるとしたら、恐らく今回はかばんさんが該当するようにも思われるのですが……。
フレンズたちは、彼女らになにかしら頼る機会が無い状況にあるのかなとも考えられます。
ジャパリパーク全体の文明やフレンズたちの知識レベルが高いのか、もしくは全く逆で「誰かに相談する」という方法すら知らない、という可能性もあります。
◆2つ目の疑問について
2つ目の疑問として、第7話で登場したPPPの5人、マーゲイ、トキがサーバルちゃんと会った際の反応が挙げられます。
前作でPPPのファンの一人から、サーバルちゃんやかばんちゃんの活躍もあってPPPのマネージャーになったマーゲイは、サーバルちゃんについて「あなた……!」と面識があるような描写がありましたよね。
つまりマーゲイはサーバルちゃんを既に知っているはずなのですが、その後登場したトキやPPPの5人は、サーバルちゃんに対してさも面識があったかのような描写が無かったのです。
まぁトキについては、前作でもかばんちゃんと比べてサーバルちゃんと話す機会が少なかった(サーバルちゃんはアルパカ・スリのいるカフェに行くまで崖を登ったため遅れて登場した)から、という可能性も考えられますが……。
なぜマーゲイはサーバルちゃんの存在を知っていて、PPPの5人とトキは知らない(ように見える)のか。
単純にサーバルちゃんとの面識について触れなかっただけで、実はPPPの5人とトキはサーバルちゃんを認知していたのか、それとも実は「前作で登場したマーゲイとは別個体」なのか? という仮設も立てられるわけです。
本当にかばんさんは「かばんちゃん」なの?
当初、『けものフレンズ2』は前作とのつながりを感じさせる描写については「サーバルちゃんが以前誰かと旅をしていた記憶がわずかに残っている」だけであり、前作と同一の世界ではないと思われていました。
ただ、今回そこにかばんさんが登場したこと、サーバルちゃんを知っていた描写が追加されたことによって、明確に前作と何か繋がりがある可能性が高くなりました。
かばんさんの「あの子をよろしくね」という発言からしても、サーバルちゃんについては「サーバルというフレンズがいる」程度の知識ではなく、彼女の過去を知っているハズ。
しかし、個人的には上記に述べた「マーゲイもサーバルちゃんを知っているのにトキやPPPの5人は知らない」という部分がどうも引っかかるのです。
そこで筆者は、この疑問に対して今までの考察から2つの仮設を提唱してみたいと思います。
・かばんさんは前作主人公と同一人物であり、サーバルちゃんとの過去に触れなかったのは何か悪影響があるから。
・かばんさんやマーゲイを始めとした前作にも登場したフレンズ達は前作キャラと同一人物ではなく、別世界に生きる存在である。
前者については先に述べた通りなので割愛します。ちなみにこちらの仮説の場合、マーゲイ達といった前作登場のフレンズたちも同一となりますね。
後者については……ちょっと説明が難しいのですが、『けものフレンズ2』は『けものフレンズ』とは違う世界、いわゆるパラレルワールドでのお話であり、2つの作品を結びつける存在としてかばんさんやサーバルちゃんが何かしらの知識・経験だけを共有している、という意味です。
筆者としては前者が一番可能性が高いのかなと思います。
というより後者は正直色々とぶっ飛んだ仮定の話であり、パラレルワールドだとしたら変に前作との繋がりを持たせる必要性をあまり感じないから、その線は低いだろうというのが理由です。モチロン、これからの話の展開で色々明かされる真実も増えてくると予想されますので、後者の可能性が0であるとは思っておりませんよ。
とはいえ、残り2〜3話でキュルルの存在や家の所在について、過去との繋がりについて、今作で新しく登場した「ビースト」、かばんさんたちが研究しているサンドスターやセルリウムについて、真実が全部明かされるのでしょうか。『けものフレンズ2』。今後の展開にも注目です!
(Edit&Text/頭皮ぱっしょん)
©けものフレンズプロジェクト