◆これからの『ONE PIECE』のアニメシリーズの体制はこう変化する?

 ただし、これまでのTVアニメ『ワンピース』シリーズに馴染みがあった人が突き放されるわけではありません。新年から新シリーズ・エッグヘッド編が始まるという発表があった通り、いま放送中のシリーズもしっかりと続いていくことも明らかになってます。

 最新の原作漫画エピソードの映像化を担うのはやはりいまのシリーズということでこれまでのファンも引き続き楽しませてくれるでしょう。

 いま放送中のシリーズも新規ファンの獲得を諦めているわけでもないようで、現在YouTube上ではTVアニメ『ワンピース』シリーズを第1話から最新エピソードまで、ひたすら流し続ける「ANYTME ONE PIECE」が行われています。

 地上波放送で追加されたエピソードも随時追加されるそうで、頑張ろうと思えば無料で1話から最新エピソードまで追いきることができます。この企画は約1年かけて行うことが発表されているので2024年の10月末までしばらく続くようです。

 そもそも新作『THE ONE PIECE』の制作もまだ始まったばかりで、今回の制作発表にあたってスタッフの募集も並行して行なっている状況です。いつ頃お披露目されるのかも未発表なので、まだしばらくは『ONE PIECE』のアニメといえば既存の『ワンピース』シリーズという状況が続くでしょう。

 ただし『THE ONE PIECE』の放送が始まると『ONE PIECE』ファンの中でも、世代や趣向によってどっちのアニメ派かと分かれる時期が来てもおかしくありません。

 今でこそキャスト情報は発表されていませんが、『THE ONE PIECE』ではキャストを一新されてもおかしくありません。いま放送中のアニメの麦わらの一味の声優陣はベテランばかり。新たなシリーズとして次世代の声優を抜擢するというのもなくはない展開です。「ルフィの声といえばあの声」という意見が一致しない未来が、近々来るかもしれません。

 変化に抵抗があるという意見もありそうですが、ある種この変化も『ONE PIECE』的。ゴールド・ロジャー曰く、“受け継がれる意志”“人の夢”“時代のうねり”──人が「自由」の答えを求める限り、それらは決して──止まらない。アニメシリーズにも転機がやってきました。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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