◆ゼウス&うるティが復活!2ラウンド目へ!
そんな悪い状況を、いち早く目撃したのが、カイドウ側のアナウンス役も担うバオファン。モモの助がカイドウによって、鬼ヶ島から落とされた状況を早速伝えようとします。
戦いにおいて士気の上げ下げをコントロールしようとする姿は、憎らしく見える一方で、百獣海賊団のさすがの手強さを思い知ります。
しかし、そこへやってきたのがウソップ、ナミ、そしてお玉の3人。
実はお玉もキビキビの実の能力で生み出したきびだんごを、ギフターズたちに食べさせていく作戦を進行中。どうにかギフターズたちに命令を伝えたい状況ということで、アナウンス対決を予感させます。
そして、今回のエピソードのサプライズその1がゼウスの復活。
ビッグ・マムによってソウルごと食べられてしまったと思われたゼウスでしたが、運よくナミが天候棒(クリマ・タクト)を伸ばしてくれたおかげで、ソウルが天候棒に押し込まれたことが判明。なんの活躍もできず、むなしい最後を迎えたと思われたゼウスでしたが思わぬ居場所を手に入れる形となりました。
しかし、今回のエピソードの「まさか」はそれだけでは終わらない。サプライズその2のうるティの復活です。
ビッグ・マムの鳴光砲(メーザーほう)を直撃しながらも、再び立ち上がるどころか、しぶとくナミたちを追ってくるのが、さすが飛び六胞。ビッグ・マムに敵幹部2人を倒して貰うなんて甘い話は、やはりなかった様です。ウソップの機転で一度はとらわれたお玉も救出し、ついにナミとうるティの2ラウンド目が開戦となりました。
これまでの描写では力量差は明確にうるティのほうがはるかに上だったわけですが、ゼウス入りの天候棒となったナミと、大ダメージを受けて満身創痍のうるティという状況では、勝負はわからなくなってきました。
◆第1036話は状況整理回でもあった!
乱戦状態が続いていますが、実はこの第1036話はそんな状況を一度整理するのにもちょうど良い回となっていました。
ジンベエvsフーズ・フーや、ロビン&ブルックvsブラックマリア、フランキーvsササキといった各所の対戦カードが決着していないことや、意外と忘れがちな、イヌアラシvsジャック、雷ぞうvsフクロクジュといった面々の戦いも続いていることが分かるカットが登場しています。CP0の解説もあり、2万4000vs3000の兵力差が2万vs7000へと変わったことも明らかになり、依然百獣海賊団が優勢ではありつつも、麦わらの一味側も負けてはいないことがわかりました。
鬼ヶ島の状況と対照的に花の都の状況が描かれるのも、今回全体を俯瞰してみせるような演出です。鬼ヶ島が迫ってきていることも知らず、賑やかにお祭りを楽しむ都の人々。そして討ち入りに導いてくれた、トの康にも触れることで、この戦いの意味を改めて思い出させます。長らく続く鬼ヶ島の戦いですが、ある意味、一つの節目を迎えていると言っても良いでしょう。
トラファルガー・ローはキッドと合流し、ビッグ・マムに対して2対1の戦いに挑みます。そして海に沈んだルフィは、ついにハートの海賊団の面々が気づくという描写も登場しました。
これらの展開からも、戦いが新たなフェーズに入ってきたことを予感させます。しのぶやモモの助がどうなってしまったのか、などまだまだ気になることが多いですが、今後のエピソードで明らかになっていくのを期待しましょう。
そして、次回は第1038話「ナミ必殺!お玉決死の大一番!」ということで、どうやらナミとお玉回。不本意ながら結成となったナミとゼウスのタッグがうまくいくのかに注目です。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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