<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください>

 ヤマトの過去に迫った物語に登場したのは、実はあの人物だった──!?

 カイドウとの戦いの中でおでんへの思いを語るヤマト……その過去には、実はある侍たちの存在が描かれるのですが、実はこの侍は、これまでの放送回でもゾロと面影が似ているとされている重要な人物でした

 第1048話「未来へ!ヤマトと大剣豪の誓い」に登場した“某(なにがし)”こと霜月牛丸とは何者だったのでしょうか?

◆ヤマトとカイドウの対立!その歴史が紐解かれる!

 ルフィがいまだ鬼ヶ島へ戻れない中、一人カイドウを食い止めるヤマト。その構図としては“親子ゲンカ”なのですが、カイドウ自身はそれを否定します。カイドウは、ヤマトが自身のことをおでんと語ることを良しとしておらず、本気でヤマトを殺しにかかっており、ヤマト自身もそれを自覚的なのが、喧嘩ではないことを表しています。

 そんな中、描かれるのがヤマトの過去。「憧れは罪なのか!?」とおでんの処刑を眺めていたヤマトの姿から、舞台は一気に20年前へと遡ります。

 かつてのヤマトは、見た目は小柄ながら、幼い頃から百獣海賊団の面々を蹴散らし、さらには覇王色の覇気までも無自覚ながら扱えていたことが描かれます。しかも、それを知ったカイドウは“有望”とまで評価します。しかし、一方で自身をおでんと語るヤマトを「死ね」といい放ち、一ヶ月の猶予として岩屋に閉じ込めることを決定します。

 この岩屋には、おでんの処刑の際に反抗してきた剣豪たちも閉じ込められているわけですが、戦力になる人材に対しては、反抗してくる相手にも一定の猶予は設けるカイドウの姿勢が表れています。そんなヤマトや侍たちに、一人分の食事を賭けての殺し合いを促すところがまたカイドウの残虐性が感じられるところでもあります。

◆グッとくるヤマトと侍たちの絆のシーン!

 殺しを促されたヤマトと侍たちでしたが、ここからがまたワノ国の剣豪たちのすごいところ。てっきり、ヤマトはすぐに殺されてしまうのかと思いきや、なんと食料を丸々ヤマトに譲ってしまうのでした。

 すでに数日は食事を与えられていない様子だったのですが「侍は腹など空かぬものだ」と易々とその食事をヤマトに譲るのでした。いや、侍でもお腹は空くだろ、と思いつつも、一切その空腹感を感じさせない素ぶりに、圧倒的な説得力があります。

 そして、そんな侍たちに感謝をしながら、泣きながらご飯をかきこむヤマト。もはや何を言っているのか聞き取れないぐらいの食べながらの台詞ですが、「ぼくはこのごはん 一生忘れません」と感謝を伝えています。これまでも『ワンピース』では、バラティエ編の序盤でサンジに救われるギンや、ホールケーキアイランド編でぐしゃぐしゃになったサンジの弁当を食べるルフィなど、空腹のキャラクターがご飯を食べるシーンが印象的に登場しますが、やはり今回もグッと来るシーンとなっていました

◆時代は再び侍が託した20年後!ド派手な見せ場のシーンへ

 すっかり親しくなった侍たちとヤマト。そこでヤマトは、おでんの航海日誌を侍たちに見せて、難しい字を読んでもらいながら、おでんの冒険を辿ります。

 このシーンはすでに第959話以降に描かれたおでんのエピソードをなぞっていくわけですが、そのまま回想シーンとしてではなく、絵本のような可愛いタッチで描かれ直されているのが、今回のポイントの一つ。ヤマトたちがおでんの旅をイメージしながら読んでいく様が、想像できる演出となっていました。

 そして数日後、日誌を読んだ侍たちはヤマトを救うべく、立ち上がります。おでんの語る20年後こそ節目と悟り、ヤマトをそこまで生かすことを目的として、軽々と岩屋の岩石を斬り開いてしまうのでした。実はいつでも逃げ出すことは可能だったというのが驚きである一方で、それでも“捨て身”となってしまうところにカイドウの強大さが分かる一幕となっています。

 そして、そんな侍たちが託した20年後に時代は戻ります。成長したヤマトがかつての侍たちへの思いを胸に閃光のようにカイドウと立ち向かうシーンへと移って行くところが、また熱いのですが、このシーンではカイドウもまるで怪物のような姿に描かれているのが演出の妙

 このクライマックスのアニメーションが映えるべくして描かれた回なのだと思い知る、ヤマトとカイドウの回となっていました。その衝突と共に物語は次回へと続いていきます。

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