『パシフィック・リム』、『GODZILLAゴジラ』、『ジュラシックワールド』、そして公開が控える『キングコング:髑髏島の巨神』など、さまざまな巨大怪物たちの映画を送り出してきたアメリカの映画会社レジェンダリー・ピクチャーズ。
そのレジェンダリー・ピクチャーズが新たに、ポケモンシリーズのスピンオフゲームである『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』をベースに、実写とCGを組み合わせた“ポケモン映画”の制作を進めているのはご存知でしょうか?
どんな感じになるんだろう……と、期待や不安を感じる人も多々いると思いますが、作品の出来とは別に、こんな心配もあるのでは? ということがあります。
私が懸念していること・・・
それは、ポケモン映画をハリウッドに奪われるのではないかということです。
ハリウッドポケモン映画がもし成功したら
ポケモンは今や日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、さらには中国にも本格進出を始め、まさに国際的なキャラクターブランドになっております。
もし、このハリウッド制作のポケモン映画が完成したとしたら、恐らくアメリカだけでなく、さまざまな国での公開が期待できます。
そして集客が見込めそうな日本でも逆輸入的に上映されることマチガイナシです。
これがもし傑作の大ヒット、シリーズ化した暁には、現在毎年日本の市場で上映されている劇場版ポケモンシリーズに加え、もう一つハリウッド版ポケモン映画が加わり、1年に2回ポケモン映画が楽しめるなんて年も生まれたりもするかもしれません。
一見、ポケモンファンにとっては非常に喜ばしいことにも思いますが、それに反して非常に怖い事態を招く可能性もあるように思えます。
ハリウッド版ポケモン映画の登場により日本のポケモン映画が終了する・・・
なんてこともあるのではないかということです。
ポケモン映画が1年に2本ならぶ未来
一本の映画制作に100億とかつぎ込んでくるアメリカのポケモン映画と、10億にも満たない予算でやりくりしている日本のポケモン映画が、同年に市場に並ぶわけです。
日本のポケモン映画と、アメリカのポケモン映画が並ぶということ……。
それはつまり、スタートの規模から違うポケモン映画が、“出来”や“成績”を同じテーブルで競い合うことを表しています!
お客さんこそ、そこまでシビアに2作を比較することはないですし、共に右肩上がりの成績につなげたり、うまく住み分けする未来もあるでしょう。
しかし、昨今のポケモン映画の興行成績は決して良いとはいえない状況なのが不安を誘います。
なぜなら最近のポケモン映画の興収は年々右肩下がりの状態だからです。
先月映連により発表された’16年の映画興行収入の発表(http://www.eiren.org/toukei/)で、ポケモン映画がシリーズ“最低”興行収入を更新していたことが数字として明らかに。
『名探偵コナン』や『ドラえもん』がシリーズの興行収入を上げていることを踏まえると、少子化を理由にもし辛い状況です。
ただでさえ、スケールダウンをしている日本のポケモン映画に、ハリウッドのポケモン映画という強力なライバルが生まれると思うと、圧倒的な質の差で「もうポケモン映画は海外にまかせればいいか」と、低調気味な現状の日本のポケモン映画のシリーズは、「存続終了」というトドメを刺されないかという不安があるわけです。