アニメに欠かせない要素の一つである「音楽」。情景を彩るBGMを中心に、現代ではオープニングやキャラクターソングなど、アニメと音楽は切っても切れない関係にある存在です。

 アニメ業界で有名な作曲家といえば、ジブリ作品の久石譲さんや『マクロスシリーズ』、『攻殻機動隊』、『カウボーイビバップ』を担当した菅野よう子さんなどが挙げられます。

 そんな中、これから注目すべき作曲家が一人います! その方の名前は、ラスマス・フェイバーさん。

 今回は、このラスマス・フェイバーさんについてご紹介していきたいと思います!

経歴と概要

 ラスマス・フェイバーさんはスウェーデン生まれのミュージシャンで、もとはジャズピアニストとして活動されている方でした。

 20代にはハウスミュージックに傾倒し、作曲を手がけるようになります。

 「So Far」や「We Laugh We Dance We Cry」といったアルバムをリリース、スウェーデンでもハウスシーンのDJとして有名になっていきます。

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画像引用元:ウィ・ラフ・ウィ・ダンス・ウィ・クライ 【CD+DVD】【初回限定】 販売元:ビクターエンタテインメント

 その一方で、後述する「プラチナ・ジャズシリーズ」では自身のルーツでもあるジャズミュージックでその名を知らしめています。

 ジャズとハウスミュージックって全く違うジャンルなのですが、両方の音楽を手がけられるという、まさに稀代のアーティストなのです!

 余談ですが、実はスウェーデンの音楽と日本の音楽ってかなり親和性が高いんです。その証拠に、日本でもスウェーデン生まれの作曲家やアーティストが有名になった人も多くいるのです。

 作曲家で言えば(作曲家なので名前を知らない人は多いかもしれないですが)マックス・マーティンさんやトーレ・ヨハンソンさんをはじめとして、日本で有名になったアーティストやアイドルの楽曲にスウェーデン音楽家が関わっていることが多いです。

 またアーティストでは、1970年代に世界一CDが売れたとされるABBAや、弱冠28歳でこの世を去ったAvicii(アヴィーチー)、今年再結成を果たしたSwedish House Mafia など、音楽に詳しくはないけど名前は知っているという方もいらっしゃるでしょう。

ラスマス・フェイバーとアニメ

ハレ晴レユカイ
画像引用元:TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」ED主題歌 ハレ晴レユカイ 販売元:ランティス

 ラスマスさんが日本で有名になった一つのきっかけとしては、2009年にリリースした「プラチナ・ジャズ シリーズ」というCD。

 『涼宮ハルヒの憂鬱』の「ハレ晴レユカイ」や『マクロスF』の「星間飛行」をジャズアレンジしたアルバムで、iTunesアルバムチャート1位にランクインするなどの大きな反響を呼びました。

参照⇒https://www.musicman-net.com/artist/17291

 またニコニコ動画で上記の「星間飛行」のライブ映像が大ヒット(2018年8月25日現在で209万再生)し、アニメファンの中でも知られるようになりました。

参照⇒http://www.nicovideo.jp/watch/sm9883306

 その後も中島愛さんや坂本真綾さん、内田真礼さんらへの楽曲提供を行ったり、2015年には『学園都市アスタリスク』、今季放送中のアニメ『はるかなレシーブ』の劇伴を担当するなど、日本のアニメ界隈でも活躍の幅を広げています。

 なお、ラスマスさんも小さい頃に『風の谷のナウシカ』や『攻殻機動隊』を視聴して以降アニメが大好きになったそうです。インタビューでも18歳か19歳の頃に買った『マクロス+』のサウンドトラックがとても気に入ったそうです。

参照⇒http://www.jvcmusic.co.jp/img/artist_top/A022858/interview/index.html

 またラスマスさんは、アニメについても「生身の人間と違って、キャラクターには詳細が語られない部分がある。そこを自身の経験や知識をもって補完することでより感情移入ができるようになる」と感じるとインタビューで語っています。

 ここまでアニメについて語れる、また考えられるというのは、表現者として作曲や演奏をしている身だからなのか、生粋のオタクだからなのでしょうか(笑)。

アニメ好きにはたまらない「プラチナ・ジャズ シリーズ」はぜひ聞いてほしい!

ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズアニメ・スタンダード-Vol.5
画像引用元:ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズ~アニメ・スタンダード Vol.5~ 販売元:ビクターエンタテインメント

 ラスマスさんが手がける「プラチナ・ジャズ シリーズ」は現在5つリリースされています。

 これがまた面白いことに、先述した『涼宮ハルヒの憂鬱(ハレ晴レユカイ)』『マクロスシリーズ(アイモ、星間飛行など)』といった有名作品だけではなく、『うる星やつら(ラムのラブソング)』『魔法の天使クリィミーマミ(デリケートに好きして)』『デビルマン(デビルマンのうた)』などの昔懐かしい作品であったり、『狼と香辛料(旅の途中)』『みつどもえ増量中!(わが名は小学生)』『這い寄れ!ニャル子さん(太陽曰く燃えよカオス)』など「よう知ってるな!」と言わんばかりの作品など、様々なラインナップなのです。

 普段聞いているアニソンでも、ジャズテイストになると一気にイメージも変わっていきます。

 「太陽曰く燃えよカオス」とか、この歌こんなに綺麗だったっけ!? と驚いてしまうくらいです(笑)。皆様が好きなアニソンも入っているかもしれません。ぜひ一度聞いてみていただきたいです!

 日本とは何かと縁の深いスウェーデン発だからこそ、アニメという世界で奏でられるラスマスさんの音楽は更に魅力的に感じるのではないかと思います。

 私も『はるかなレシーブ』のBGMが美しいし、どこか聞き馴染みのある音楽だなぁ……と思って調べてみたら、まさかのラスマスさんが手がけていることに驚いてしまいました。

 アニメの劇伴はまだ上記の2作品ではあるのですが、これからもっと色々な作品でラスマスさんの音楽を聞きたいなぁと思います!

 もしラスマスさんの音楽が気になった方は、まずは「プラチナ・ジャズ シリーズ」の「星間飛行」から聞くことをオススメしますよ。

(Edit&Text/頭皮ぱっしょん)


◆参考サイト

https://www.jvcmusic.co.jp/-/Profile/A022858.html

https://www.musicman-net.com/artist/17291

http://www.jvcmusic.co.jp/img/artist_top/A022858/interview/index.html

https://natalie.mu/music/pp/rasmusfaber

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