ベアトリスって結構複雑なキャラクターですよね。

 契約に従いその人が自分を連れ出してくれることを望みますが、その一方では契約を捨て「自分はもう死にたい」と口にします。また、自分を迎えに来る人がその人であることにこだわりながら、スバルにその人だと嘘を付いて欲しいと望むことも……。

リゼロ ベアトリス かわいい 画像<画像引用元:http://re-zero-anime.jp/tv/story/ より引用掲載 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会>

 このようにベアトリスからは行動に一貫性がないような、心の中がグチャグチャであるような印象を受けますよね。

「ベアトリスって結局何がしたいの?」

 と思っている視聴者もいるでしょう。

 そこで今回は、複雑なベアトリスの心境と行動理由、そして今後の展開がどうなるのかを紹介していきます。

※以下、原作のネタバレに触れている部分がございますので、ご注意ください。

◆誰からの手を取るのが怖い? ベアトリスの複雑な心の内とは?

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 まず、ベアトリスはこの契約に疲れてしまっています。まぁ当たり前ですよね。400年経っても契約の終わりが見えないのですから……。

「待ち人来たらず」

 みなさんも経験あるのではないでしょうか。そういった時は、なんで来ないのかと怒ったり、忘れられたのかと心配になったり、逆に相手が来た時の期待が高まったりしますよね。

 ベアトリスはそんな感情を400年間抱き続けたのです。扉渡りのドアが開かれる度に、今度こそはその人がくるのではないかと……。しかし、400年経ってもその人は現れません。

 待ち遠しい気持ちが恨みに変わってしまうほどに。そして、その気持ちが悲しみに変わってしまうほどに、待って待って待ち続けてしまいました。ベアトリスは待つという行為に対して抱く全ての感情を抱き、それらの感情に裏切られ続けてきたのです。

 それらのぶつけようのない感情はベアトリスの中で積み重なり、色あせ、期待は諦めになってしまいました。そのため、契約通りその人が来てくれることを待ち望みながら、その一方で来てくれないならもう待てないと思っています。だから、死んで楽になりたいと考えているのです。

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 また、ベアトリスはその人が現れることを望みながら、その人が現れた後のことを恐れています。

 ベアトリスは禁書庫でずっと1人でいますが、なにも望んで孤独でいるわけではありません。寧ろ、人一倍孤独を恐れています。実は今もなお孤独であることに心を苛まれているのです。

「孤独から救ってくれる誰かが現れて欲しい」

 しかし、それは嬉しいことである一方、必ず失われるものです。悠久の時を生きるベアトリスは、必ず相手を見送ることになります。それは、ベアトリスがまた1人になってしまうことを意味するのです。

 今のベアトリスは400年の慣れで孤独に耐えていますが、誰かと共に居る幸福を感じたら、もう二度と孤独であることに耐えられないと考えています。なので、その人が自分を孤独から開放してくれる未来を望みながら、その一方で再び孤独になるであろう未来を恐れているのです。

 これらの相反する感情がベアトリスの心の中で渦巻いているため、一貫性がない行動を取ってしまうわけですね。ベアトリスの心は400年の間に固く凝り固まっています。スバルはどのようにして解きほぐすのでしょうか。

◆なぜ、今になって死にたがるのか? スバルが取ったベアトリスの救い方とは?

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 ベアトリスがスバルの手を取らない理由は、様々な感情が渦巻いているからというのもありますが、一番の理由はスバルがその人ではないためです。

 しかし、ベアトリスはスバルがその人ではないと感じるのと同時に、その人は未来永劫現れないということにも気づいてしまいます。

 その理由は明かされていませんが、ベアトリスはスバルとの相性のよさを心の底で感じたのはないでしょうか。スバルほど相性のいい人物がその人ではないというなら、その人なんて現れない……。そう考えたのかもしれません。

 待つことを諦めるタイミングなんて400年間いくらでもあったのに、聖域編で諦めた理由の一つがこれになります。もう一つの理由は、ロズワールがベアトリスを殺そうとしたことです。扉渡りが破られたことから、ベアトリスは刺客がロズワールによって差し向けられたものであることに気がつきます。

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 そして、重要な部分が、ロズワールも叡智の書に従って行動していることをベアトリスが知っているということです。

 つまり、ロズワールの叡智の書にベアトリスの死が書かれたということ……。叡智の書が記載されなくなって自分のことなど忘れられたと考えていたベアトリスは、例えそれが死の運命で、ロズワールの書に書かれたことであっても受け入れたくなったわけですね。

 このような状況から、ベアトリスは死を受け入れようとしています。

「自分を連れ出すなら、自分を1番にしてくれ」

 そんなベアトリスに、スバルはどんなカッコイイ言葉をかけ救うのかと期待していれば。

「ベアトリス。俺を、助けてくれ」

 なんと死を望む相手に、助けを乞うことに!?

「俺は力も、能力もお前に与えられるものなんてない。俺がお前に何かをしてやれるなんておこがましいことは言えないでも、助けてくれたら孤独なお前と一緒にいてやるくらいはできる。」

 自分を一番にしてくれと願うベアトリスにスバルは「自分を1番に助ける存在になって欲しい」と願うのです。スバルの1番ではありませんが、ある意味1番には変わりありません。実はかなりの世話焼きであるベアトリスは、スバルのこの要望に胸を打たれてしまうのでした。

「俺を選べ ベアトリス」

「誰かに連れ出して欲しいから! お前はいつも! 扉の前に座っていたんじゃないのか」

 そして……。

◆精霊術師スバル爆誕 スバルとベアトリスの今後の関係は?

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 スバルの手を取ったベアトリスは、彼と契約をすることになります。

 精霊術師スバルの誕生です。

 その契約のお陰で、ゲートが潰れてしまったスバルも精霊魔法を使うエミリアやユリウスと同じように精霊魔法が使えるように!! しかも、契約したベアトリスはその辺にいる微精霊とはわけが違います。パックのような大精霊です。それはもう最強の精霊術師の誕生ですよ。

 陰魔法を極めたベアトリスとスバルが使う魔法はあの大兎すらも、蹂躙するほどで……。その初陣は本当に華々しいものでした。「あぁこれからは最強の精霊術師スバルの俺TUEEE物語に路線変更かー」と感慨に耽っていたほどです。

 しかし、そうはなりませんでした。大精霊ベアトリスと契約したスバルでしたが、その契約は特殊なもので、他の精霊術師にはないデメリットが存在したのです。

 そのデメリットがこちら。

・ベアトリス以外の精霊と契約できない

 ユリウスと同様に精霊に好かれやすいスバルですが、ベアトリスと契約したことにより、他の精霊と契約できないようになってしまいます。パックと契約しているエミリアが微精霊と契約しているように、本来はそうはならないはずなのですが、ベアトリスとスバルの契約は特別独占契約に……。

 その結果、ベアトリスがそばにいないと魔法を使えない雑魚スバルのままという、なんとも格好の付かない状態になってしまいます。

 ・人工精霊であるベアトリスは自分でマナを生成できない

 他の精霊は自前で魔力を生成できるようですが、人工精霊であるベアトリスは自分で魔力を生成できません。そのため、ベアトリスが魔法を発動させるには、契約者であるスバルのマナを使うことになるのですが……。

 知っての通りスバルの魔法センスはゼロ。マナの貯蔵量なんてその辺の一般人レベルです。つまり、いくらベアトリスが最強の魔法を使えるといっても、発動するためのマナをスバルが用意できないという、とっても情けない状態になってしまいます。

 ・初陣でマナを全て使い果たす

 初陣で大兎という最強の敵に相対したベアトリスとスバルは、それはもう盛大に魔法を使っていきます。その結果大兎相手には完全勝利を得ますが、ベアトリスが400年前から少しずつ集めていた魔力がゼロに……。

 スバルから少しずつ、マナを貯めることができますが、それは微々たるもの。そのため、ベアトリスとスバルは魔法を使うとすぐにガス欠してしまうことに。最強の精霊術師とは……。

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 これらのデメリットを抱えるスバルとベアトリスですが、ベアトリスが禁書庫を出た後、2人は本当に仲良く過ごします。それはエミリアと一緒にいるよりもベアトリスと一緒にいる方が多いほどです。

 ベアトリスと一緒にいる時は、常に手を繋ぎ、座るときはベアトリスを膝に乗せることも……。

 

 このようにスバルはベアトリスに甘甘になってしまうのですが、なんとあのベアトリスもスバルに甘甘になってしまいます。イメージとしては、今までパックに対して行ってきた対応がそのままスバルにも行われるような感じです。これが新手のツンデレかと、2人の関係をみて微笑ましい気持ちになってしまうのではないでしょうか。

 ベアトリスの究極のデレは原作か、アニメ3期があればそちらで観ることができます。気になる方は、ぜひそちらをご覧下さい。

 

 ――以上が、複雑な感情を持ったベアトリスについての紹介になります。いかがでしたか。

 少しは、ベアトリスのことを理解していただけたでしょうか。

 アニメ2期前半はもうベアトリスの出番はありません。冬に放送予定である後編でもしばらくベアトリスの出番がありませんが、この聖域編では非常に重要なキャラクターの1人なので、注目しておいてください。

(Edit&Text/天乃ひる)


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