年末に入り、2022年の注目作品を聞かれたりすることが多くなってきたのですが、やはりベタではあるもののこのタイトルを挙げておかねばという気持ちになるのが、新海誠監督による最新作『すずめの戸締まり』です。
2021年12月15日に大々的に新作発表会が行なわれ、新海誠監督自身がこの最新作『すずめの戸締まり』の内容について語る形でその存在が明らかにされました。
発表と同時にお披露目となったビジュアルには、廃墟のような建物と水辺。そしてそこに不自然にドアだけが浮かぶといったキャラクター不在のもの。タイトルにもなっている“すずめ”という女の子が主人公となり、列島各地に通ずる扉を閉めて周るというロードムービーとなるそうなのです。
現段階で明らかになっている情報はわずかでありながら、新海誠監督は今回の発表会に合わせて思わぬエピソードも語ってくれていました。
◆新作発表会だけではない?Twitterのスペースに監督が登場
新作発表会が行なわれた2021年12月15日。午後11時よりYouTubeの東宝MOVIEチャンネルにて、会見の模様をプレミア公開した後、さらに追加で意外な催しを設けてくれていました。それがTwitterで今年導入されたばかりのTwitterスペース(音声配信機能)で行われた、『新海誠監督アフタートーク〜戸締まり後のはなし〜』。
\ただ今YouTubeプレミア公開中/
プレミア公開終わりには#新海誠監督 がみなさんからの質問に
生配信(音声配信)でお答えします!#すずめのここがキニナルで作品に関する質問も募集中です🚪
— 映画『すずめの戸締まり』 (@suzume_tojimari) December 15, 2021
東宝の宣伝プロデューサーである弭間さんの司会の元、新海誠監督がTwitterに投稿されたハッシュタグ“#すずめのここがキニナル”と一緒に寄せられた質問に答えるといった試みです。
YouTubeやLINELIVEなどを利用した生配信企画は多いですが、スペースを利用した企画はまだまだ限られているので、試み自体が新鮮でした。
◆『すずめの戸締まり』のタイトルにはあの人が関わっていた?
そんな『新海誠監督アフタートーク〜戸締まり後のはなし〜』では、やはり気になる主題歌が決まっているのか、といった質問や、何か着想を得た作品などはあるのか、といった質問に新海誠監督が直々に回答。主題歌情報はさすがに明かせないながら、この人とやりたいという人がおり、何ヶ月か先には発表したいから待ってほしいといった旨や、作品ではないが、『天気の子』以降に観た風景に影響を受けたことを明かしました。
中でも意外なエピソードが飛び出したのが、タイトルに関する質問です。『すずめの戸締まり』というタイトルはどうやって生まれたのか?という質問に対する新海監督の回答では、なんと『君の名は。』や『天気の子』で企画・プロデュースを務めた川村元気さんの名前が登場しました。
新海監督が夜中のバーで、川村元気さんとこんな映画を作りたいと物語を詳しく話した際に、川村さんがこんなタイトルはどうか、と提案したのが現在のタイトルなのだそう。
すずめという主人公の名前はすでに新海監督が、誰もが口にしたことのあるような名前が良いということから思いついたものだったそうですが、同時に、すずめの映画が日本昔話的な温度感の作品になってほしいと考えていたそう。そんな中で、川村さんが提案した『すずめの戸締まり』が見事にそんな新海誠監督の気持ちにハマったタイトルとなったそうで、珍しく企画書の前にタイトルがすでに決定していたケースとなったそうです。
すっかり川村元気さんは新海誠組のような感覚でいましたが、意外なことに『すずめの戸締まり』の今回の発表時点では、製作陣の中に名前を連ねていません。もしかして、今回は関わっていないのかな?と思いきや、まさかのタイトルの名付け親という形では“少なくとも”関与していたようです。
このタイトルに関するエピソードは、新海誠監督曰く、川村元気さんは覚えていないかもしれないとのことですが、映画のタイトルはいわば店の看板のようなもの。たとえクレジットに今後川村元気さんの名前が登場しなかったとしても、この最新作でも川村さんは非常に重要な製作陣の一人として考えて良いのではないでしょうか。
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扉の向こうには、
すべての時間があった―
―――――――――――――――『君の名は。』『天気の子』の
新海誠監督 最新作 ついに始動ー
『すずめの戸締まり』2022年秋公開🚪#新海誠 #すずめの戸締まり #君の名は #天気の子 pic.twitter.com/4BqnZfxEWc— 映画『すずめの戸締まり』 (@suzume_tojimari) December 15, 2021
『すずめの戸締まり』の公開は2022年の秋ということでまだまだ上映まで時間はあります。今後も続々と主題歌やキャスト、キャラクタービジュアル、まだ明かされていない製作陣といった情報も少しずつ明らかになっていくことでしょう。公式Twitterもスタートしているので、もしかしたらスペースの企画がまた実施される“かも”しれないので、フォローしておいた方が良いかもしれませんね。
▼映画『すずめの戸締まり』公式Twitter(@suzume_tojimari)
https://twitter.com/suzume_tojimari
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』(https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd)を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi