昨年12月頃より、Twitterなどで急速に人気が出始めた「バーチャルYouTuber」

「世界初のバーチャルYouTuber」を自称する、“キズナアイ”がこの言葉を初めて使ったことで定着しつつあり、今話題で最先端のジャンルで認知度が高まっております。


先述した、キズナアイを皮切りにミライアカリ、電脳少女Youtuberシロ、輝夜月(かぐやるな)、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさんといった、人間ではないキャラが映像内を自由に動くキャラクターが登場し、配信元のYoutubeを超えた人気を博しているようです。

「要は2次元キャラがYouTuberになっただけでしょ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません(というか私がそうでした)が、バーチャルYouTuberの様々な動画を見ていると、従来のYouTuberとはまた違った面白さや魅力があることが分かりました。

そこで今回は、「バーチャルYouTuberとはそもそも何なのか?」、その特有の魅力についてをお伝えいたします!

そもそもバーチャルYouTuber とは?

バーチャルYouTuber 自体が出て間もない単語であることから、こちらは明確な定義は存在しないのが現状。

明確な定義が存在しないとはいえ、バーチャルYouTuberがUPする動画は、「全て3Dモデルのキャラが動く」という演出が特徴です。

まだ登場して間もない、新ジャンルであるため、何を指してバーチャルYouTuberと呼べるのか判断しかねますが、今後、おそらく、3Dキャラを使って動画を投稿している者を指す言葉になると予想出来ます。

なお、動画の内容については往年のYouTuberとは同じようなものが多いようです。

近年の動画を見ている限り「運動テスト」や「ゲーム実況」だったりと、動画の内容は普段のYouTuberと大きな差はありませんが、実在する人間が行うことと2次元のキャラクターがやっているのではやはり印象が違ってきます。

普通のYouTuberとどう違うの??

バーチャルYouTuber

人気を集めるYouTuberには、それぞれトークスキルだけでなく特徴ある特技(HIKAKIN氏ならヒューマンビートボックス、木下ゆうか氏なら大食いなど)を持っていますよね。

その反面、バーチャルYouTuber はあくまで3Dモデルであることから、YouTuberのような人間性に偏った特技を持つことが難しい部分があります。

3Dモデルのキャラクターが、動画内で10kgの巨大なおにぎりを作って食べる姿……なんて観ても「この人すごい!」とはあまり感じないと思います・・・。

ところで、なぜ、バーチャルYouTuber に魅力を感じる人が多いのでしょうか?

その要因のひとつが、人気バーチャルYouTuber には、それぞれに「明確なキャラ設定」がされていること。

輝夜月は「某酎ハイ缶に似た服」という見た目のに、常にハイテンションなトークを繰り広げます。


この、輝夜月、とある人気キャラクターの首を絞めたような声であることから、ファンから“首絞めハム太郎”と呼ばれていたり・・・。

輝夜月の場合はどちらかというと、アニメや漫画のキャラクターの魅力と同じベクトルでの人気と言えます。

バーチャルYouTuber の魅力は、YouTuberが持つ特技という部分ではなく、アニメや漫画のようなキャラクターが「いかにも本当に一人の人間として動画を撮影しているように思える」感覚を共有できる点であるといえます。

キズナアイとミライアカリのクオリティーの高さ

YouTuberの方々は、一つの動画を作成・公開するだけでも多くの労力が必要になります。

・動画のネタ探し

・動画の編集技術(場合によっては作るための機材・ソフトウェアの調達)

・ネタで使用する材料(実験なら実験道具、食べる系なら食材など)の調達

・テーマによっては遠征する体力

実際、私は動画投稿をした経験がないので、上記以外にも数多くの労力が必要になると思われます。

動画の撮影と編集は外部委託をする方もいらっしゃいますが、その場合は人件費も掛かってしまいますね。

バーチャルYouTuber の方の場合、実際に遠征をしたり食材といった物理的な労力が掛かることは少ないかと思います。

それに対し、バーチャルYouTuberは、キャラクターのリアル感とかわいさ(男キャラが出てくるなら、かっこよさになるのでしょうか)を求めたモデルのクオリティにも重きを置いているようです。

モデルのモーション一つ一つを見ていると、デジタルっぽさのない自然でなめらかに動いているのが見て取れます。

これは実際の動画を見た方が早いかと思います。

こちらは、キズナアイのグッズ化についての企画会議を行っている動画ですが、グッドスマイルカンパニーの社長・企画担当者とアイちゃんの次元を超えた会話を繰り広げています。

まさに2次元キャラとお話が出来るという夢の空間ですね!

端から見ても会話のテンポなどに全く違和感を感じさせない動かせ方をしているのは、簡単な技術で出来るものではないのでしょうか。

このミライアカリの動画では、オープニングトークではよく「自撮り風のカメラアングル」を多用しており、人の動きや手のブレによってアングルが細かく変わっていますよね。

この人間らしさのある動きを3Dの世界で表現していることは、素直にすごい技術であると感じました。

しかもこのミライアカリというバーチャルYouTuber、なんと公式イラストを担当しているのは、ボーカロイドでおなじみの『初音ミク』『鏡音リン・レン』などのイラストを担当したKEI氏

プロのイラストレーターがYouTuber企画に参画するなど、コンテンツへの力の入れようも段違いなのです。

オタク文化における3Dモデルの進化は、ニコニコ動画を発祥としたMMD(MikuMikuDance)の登場とともに、一気に広まっていきました。

ニコニコ動画内ではクリエイター有志による「MMD杯」が定期的に開催されており、日々MMDを使った二次創作物を作るユーザーが増えています。

そんな多くのユーザーが互いに技術を高めていき、今回バーチャルYouTuber として新たなジャンルを開拓する一因にもなったのではないか、と私は考えます。

アニメでは、石ダテコー太郎(石館光太郎)監督や、『けものフレンズ』に携わった制作会社のヤオヨロズによる3Dアニメ『みならいディーバ』、『てさぐれ!部活もの』にてMMDのの技術が利用され、作品自体が異質な点もありますが大きな話題となりました。

 

――バーチャルYouTuber自体は、自称世界初のキズナアイが2016年11月末にチャンネル開設をしたばかりであり、このジャンルそのものがまだ1年ちょいしか経っていない世界です。

これからどんなバーチャルYouTuberが出てくるのか、またそれによってモーションモデルなどの技術もどんどん進歩していくのではないでしょうか。

2018年は確実に人気のコンテンツになっていくと思いますので、ぜひともチェックしておきましょう!

(Edit&Text/頭皮ぱっしょん)

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