「1」の時から『シュガー・ラッシュ』の邦題問題は発生していた

そしてそもそもこの邦題の弊害は、元の第1作『シュガー・ラッシュ』の時点で発生していたりもします。

それは『シュガー・ラッシュ』の作中でタイトルが出てくるタイミングの演出の問題です。

映画の冒頭で、主人公のラルフが自分の役目に納得できないという表情で画面いっぱいに映されるここぞというタイミングで、初めて映画のタイトルが表示されます。

このタイトルが出るタイミングは、明らかに原題の『Wreck-It Ralph』というタイトルをラルフに被らせることで、皮肉的に使った演出なのですが、日本ではこれが『シュガー・ラッシュ』という全く異なる意味のタイトルになってしまったばかりに、演出としてのタイトルの出現タイミングが意味をなくしてしまっているのです。

『シュガー・ラッシュ』は、日本版限定のオリジナルキャラクターを登場させるといった凝った工夫こそされていたのですが、こういった元の演出をつぶすようなことこそ優先して配慮をしてくれればなぁと、たまたま原版を先に観ていた私は少し残念に思ったのをよく覚えています。

 

――『シュガー・ラッシュ:オンライン』のローカライズは恐らくこれから本格的に進められることになると思いますが、第1作『シュガー・ラッシュ』でやってしまった演出をつぶすようなローカライズはぜひとも避けて欲しいです。

吹替が乗ったり字幕が乗ったりと、日本で鑑賞する以上、純度100%の状態で作品を観ることこそ、そもそも不可能なのは分かっているのですが、せめて出来る限り元の良い部分を活かしたアレンジを希望します。

なんといっても“世界のディズニー”なんですから。ぜひその国境の越え方にも期待させていただきたいです。

(Edit&Text/ネジムラ89)


シュガー・ラッシュ
©Disney

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