世界で戦えるブランドを生かせなかった
そもそも“ポケモン映画”というコンテンツが、世界配給力を持つレジェンダリー・ピクチャーズの手に渡ってしまったこと事態、少し悔しくもあります。
かつてポケモン映画も、第一作目『ミュウツーの逆襲』が海を越えて全米大ヒットとなりました。
このポケモン映画はアニメに限らず、邦画の全米興行収入記録で1位を獲得し、この記録は未だに破られていません。
’17年現在でも全米で最もヒットした邦画は『ミュウツーの逆襲』なのです。
◆『ミュウツーの逆襲』から20年経ったいま
日本は、世界規模で活躍するポケモンというキャラクターブランドを有しながら、『ミュウツーの逆襲』を越える記録の作品を作ることができませんでした。
少し意地悪な言い方をすれば、20年の間、国内で“ポケモン映画”というコンテンツをこねくり回していたとも言えます。
ポケモンのゲームデータを来場者特典とするなど、革新的とも言える手法で、日本で確かな興行実績を残してきたのも事実です。
しかし、それはあくまで日本国内の話。
アメリカに日本のポケモン映画が残した傷跡は結局始まりの20年前がピークでした。
そんな“ポケモン映画”の制作権利がアメリカの手に渡ると思うと、やはり日本では世界市場で戦える作品は作れなかったのだと、証明されてしまうような危機感も感じるわけです。
そして、このハリウッド版ポケモン映画が実際に大ヒットとなれば、その危機感は敗北感に変わるような気がしています。
2017年ポケモン映画はどう出るのか
もしかするとハリウッド版ポケモン映画の完成が、日本のポケモン映画を退場させる決定的な転機なのでは・・・と思わずにはいられない今日このごろ……。
不安の多い日本のポケモン映画も、20周年の節目を迎えるということで、「ある変化」が見られます。
それがすでに告知されている今年のポケモン映画『ポケットモンスターキミにきめた!』です。
まだ特報とイメージビジュアルのみ公開されている状態ですが、アニメシリーズ第1話を思わせる内容に、これまでの劇場版シリーズとは違った意気込みが感じられます。
国際市場で戦えるかもしれないポケモン映画の登場が控えている今、20年その権利を有してきた日本のポケモン映画が、この状況下で一体どんな作品を繰り出してくるのかは非常に注目です!
ハリウッド版ポケモン映画とは違った需要を満たしてくれる、素敵な作品がこの夏楽しめることを期待したいです。
(Edit&Text/ネジムラ89)
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